[日記]荒ぶるもの

バタバタバタとリズミカルな音が聞こえた気がして、目が覚めた。遅れて、下手な口笛が大きな音を立ててヒューヒュルと鳴る。

まだ30分、床についていてもよいのに、私は上半身を起こしてうなだれる。

パタパタパタ。摺りガラスの向こう側には、大量に打ち付けたのであろう水滴が、ずるりずるりと落ちていく。

ヒューヒュヒュルヒュル。彼の気まぐれによって落ちる定めは歪められ、壁面へと叩きつける。あるいは、網戸に膜を張るという変わった運命を辿らされている。

仕方ない。どういった状況か分からないし、動こう。

テレビを点けて、いつもの無機質なバラエティも、このときばかりは色がつく。取りに行かずとも、文字以外の危険な情報が手に入るのだから。

朝食の支度、身だしなみ、食事、怠惰。

どうせなら雨風が緩んだくらいに行きたいものだ。というよりも、休みになればいいのに。

バタッパタパタパタ

じっと待つ。

ヒュールルル

いつもの時間が訪れるのを待つ。

その時間がやって来た直前、雨の音が止んだ。これは行くしかないのだろう。困ったものだ。

荷物を背負い、傘を握る。外に出て鍵を閉めようとすると、壁面がぐっしょりと濡れている。

ため息一つと共に、扉が閉められた。


◆◆◆◆


台風、大丈夫でしたか?

私は眠いです。

職場に向かう途中、傘をやられそうになりました。なので、自宅に戻ってレインコート引っ張り出しました。おかげで傘は無事ですが。


休みになればいいんですがねぇ。

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