第13話 調査の準備②

 調査に出発する為には、道中の食糧や飲料水等の物資も必要になる。

 ハルトがグリフに相談した結果、グリフ達が普段から食べている食糧を持って行く事になった。

 ハルトは既に何度も口にしているのだが、その食べ物の作り方が知りたくなったので、グリフに訊いてみた。

 グリフが言うには、栽培されている野菜や果物を細かくして固めているだけだそうで、その作業は、加工場で行われているそうだ。


「長期保存も出来るし、1日に数個食べると、必要なエネルギーやカロリーを摂取出来るんだ。

 お腹の中で膨らむから満腹感もあるよ。」

 と、グリフは付け足して教えてくれた。

 某バランス栄養食の様な形をしており、味と食感もほぼ同じだった。


 ハルトは最初の頃、この食料は病人の為の食事なのだろうと思っていた。

 しかし、何時まで経ってもきちんとした食事が出て来ないので、耐えかねたハルトがグリフに訊ねたところ、珍しいことに不思議そうな顔をしたグリフを見ることが出来た。

 ハルトにとって有り難いことに、味は数種類ある。


「水については、個人用の水筒と、このタンクを持って行けば大丈夫だよ。」

 そう言って、グリフはハルトに水筒を見せる。

 ハルトは、渡された水筒を手に取ると軽く感じたので、すぐに振って確認をする。

 しかし、どうも容量が少ない。

 グリフに訊ねてみると、個人用の水筒には殺菌消毒機能があり、タンクには、空気中の水分を水に変換する装置が内蔵されているとのことだった。

 少しの光があれば曇り空でも雨天時でも、動力は保たれるので、問題はないとのことだった。

 更に、途中の怪我や体調不良への対策として、医薬品等が入った救急キットを持参する事になった。

 ハルトは、物資の準備が思ったよりも簡単に済みそうなことに安堵していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る