第2話 グリフ達との出会い

「やあ。

 そこで、何をしているんだい?」

「うわっ?!何だ?」

 ハルトは驚いた拍子に身体を震わせた。


「君が誰かは知らないが、アイディーの実は美味しく無いから、食べるのはやめておいた方が良いよ。」

「人がいたのか!

 全く気配が無かったのに…。

 いきなり声をかけるのはやめてくれませんか。

 ビックリし過ぎて心臓が痛い。」

 ハルトが驚いて、振り返ると一人の男が立っていた。

 しかし、ハルトが先ほど辺りを見回した時には、近くには誰もいなかった筈だった。

 ハルトに話しかけてきた男は、欧米人風の顔立ちで軽く微笑みを浮かべていた。

 その男は、淡い金髪をしており、ハルトよりも細身で背が高く、 薄茶色の全身スーツを着ていた。


「ぶふぉっ」

 ハルトは、つい吹き出してしまった。

 出落ち感が半端ない。

 ハルトは、知り合いか何かのイタズラかと思い、周囲を確認するが、全く人の気配を感じない。


「ん?

 アイディーの実は、まだ食べて無いよね?

 それとも、何かおかしなことがあったのかい?」

 その男は、ハルトの反応を見て、訝しげに尋ねてくる。


「いやいや。

 気を悪くしたのなら謝りますが…。

 あなたのその格好は…何ですか?」

 ハルトは、その男の姿を見て笑ってしまったことを詫びつつ、気になったことを尋ねてみる。

 その男は、全身スーツの一部を摘みながら、ハルトに応える。


「ん?コレのことかい? 

 普通の服なんだが…。

 それにしても、君のその格好は何だい?

 随分、見慣れない格好をしているね。」

「ただのパジャマですよ。

 まぁ、外で着ている人は少ないとは思いますけど。」

 ハルトは、パジャマを見ながら答える。

 ハルトは気が付いていないが、欧米人風の顔立ちをしたものと、普通に言葉を交わしている。

 ハルトにとって普通とは言い難い服を着ている、名も知らぬ男と二言三言話していると、不意に声を背中側から掛けられた。

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