第1件 仕事熱心

「ん…ここは?」

どうやら眠ってしまっていたらしい。

「あっ、おはよう御座います。」

ジーパンに赤いTシャツを着た黒い短髪の少女が軽く頭を下げる。

「君は?」

辺の様子がおかしい、なんというか真っ白なのだ。

「私は六道と言います、あなたは現世で死にました」

「えっと、うん?」

え 、俺死んだの?

………いやいやいやいや!!そんな訳ないよな、たぶん中二病な子なのだろう。

「とりあえず、ここどこかな?」

辺を見渡して見るが、ただただ真っ白な景色が広がっている。

「ここは輪廻と言います、聞いた事ありませんか?」

りんねって、たしか…あれだな転生とかするやつ。転生とか最近ラノベとかで多いよな。

「転生とかのあれだろ?」

「はい、魂を正しく裁く場所ですね。」

ん…なんかマジっぽい。よくよく考えたら真っ白で何も無い場所に居る時点でおかしいなとか思うべきだな。

「という訳であなたには転生してもらいます。」

「はぁ?」

「ですが、あなたは生前、何でも屋を営んでいたらしいじゃないですか。」

「はい、受けた依頼は必ず達成します!…とか言ってたんですけどね」

思い出してきた、たしか何かの依頼を受けていて…ソレが原因で死んだんだ。

「それで、あなたに依頼を出します。」

「依頼?」

「はい、最近新しい世界が現れまして。」

「はい?」

「そして、この世界がですね不安定すぎるんです。」

「不安定?」

「はい、なんと言うかデタラメすぎなんですよね、何をどうしたらこうなるんですかね?」

「で、依頼と言うのは?」

少女がわざとらしく コホンッ と咳払いをする。

「あなたにこの世界の調査をしてもらいたいのです、ちょうどこの世界が召喚術か何かで違う世界の生き物を呼んでいるので、もしあなたが依頼を受けてくれるのなら記憶を留まらせたまま、一度転生してこの世界の召喚術でこの世界に行ってもらいます。」

ほとんど、頭に入ってこなかった。とりあえず依頼を受けたら記憶を留まらせたまま転生できるんだな!

「わかりました、その依頼受けましょう!」

「ありがとう御座います。」

少女が手を差し出す。

「交渉成立ですね。」

「おっ、おう」

握手をする流れだったので握手を交わす。

「では、良い人生を…」

俺の記憶はここまでだ。

次、目が覚めると目の前に黒いローブを着た6人程の怪しい連中と後ろに若い男が4人倒れている、さらに自分の体が猫になっているというカオスな状況になっていたのだが……。

どうしたら、いいんだろう。




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