第3.5件 猫、強いわ

「何をしているのですか、早くしてくれなければ私から行きますよ?」

俺の唯一のスキル《影展開》だが、スキルの発動直後名前が変わった。

俺は左手…左前足を上げ頭の中で唱える。

《影猫展開》! !唱えながら左前足で地面を叩く様に下げる。

影の中から黒い猫のシルエットが現れる。その数はざっと200匹、座って動かない猫やウロウロ動き回る猫などがいる。

「ほう、影展開のユニーク版ですか…まぁ、この数なら脅しにしかならないですけど。」

影展開は数を取ると呼び出した影の実体が弱くなり、数を絞れば実体が強くなる。この場合どちらを取るのが有利か、もちろん後者である。

なぜ、数を取ると実体が弱くなるのか、それは多すぎると想像、つまり魔力操作イメージが届かないからである。

つまり、数が多くとも魔力操作イメージさえ出来ていれば問題が無いのだ。

それを彼はいとも容易く成してしまったのだ。

それは何故か、それは簡単な事で彼は勇者だからである。

《影猫展開》は4つ使い方がある、攻撃・防御・拘束・援護この4つの内今するべき行動は

拘束!!

「なっ、」

少女が気付くのがあと0,2秒速ければ逃れていたかも知れない。

まぁ、避けた所で逃げ場は無い。路地裏にいるため影が多いうえに大きい、そのため逃げ場が少い。

少女に30匹程の黒い猫が群がる。

「ニャア」

降参しろと言おうとしたら可愛い声が出た。

「んっ、」

少女が必死にもがくがそう簡単にはいかない。

はたから見たらヤバイことしてるみたいに見えるだろう。だからあえて言っておく、俺は猫だ!

イナリさんの方に振り返ると、イナリさんは

影の中に居る猫とじゃれ合っている。

お〜い。

「ん?おお、ギブアップしろやって。」

「…やっぱり、止めませんかこんな事。」

左前足を上げる。

辺の猫が全て腰を高く挙げ頭を低く下げる。

威嚇の体制…。

「ぎ、ギブアップ…」

異世界生活4日目(合ってるか不安)奴隷ゲットだぜ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今日も一日異世界案件 食用 スライム @suraimu12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ