冒頭から名探偵である主人公が助手に呼ばれ、まさかの裏切りを受けます。が、そこから始まる凄まじく面白い展開に感動しました。短編なので短くまとめてありますが、長編のプロローグであってもおかしくはない濃い内容が凝縮されています。可能なら二人の続編が見たいくらいです。
文体そのもののテンポも良くて一気に惹かれます。
ジャンルはミステリーですが少し不思議系、オカルト系も含まれていてそういうのが好きな方は最高に楽しめると思います。むしろそういうのを好む方にこそ是非に読んで頂きたい作品です。
読み進めて理由を知ると…ああ!と納得して感激しつつ、しかしよくよく冷静に考えればネジが飛んでいると言ってもおかしくはない発想や濃い流れに、読み終えたあとにまた読み直しをしてにやけていました。助手の動機がうまいです。
助手が探偵を裏切った理由はご自分の目で確認してください。
そういう意味か、と思わず苦笑いをすることになるでしょう。ですが、私は助手のこの考えは最高に好きです!素敵に濃い魅力的なキャラクターでした。