第7話 リップガール(復刻版+改稿) その1

【アレルギー警報】

 「おめこ」とは、関西地方の愛くるしい方言です。全国的なオ〇〇コと同意語であります。

 ミニスカートをはいた女性に対して

 「ねえちゃん、おめこ見えるで」 

 と無邪気に笑うおっさんと、

 「あほ! パンツはいてるわ!」

 と強気に返す、おねえさん。あの、ほほえましさが懐かしい。

 というわけで(どういうわけや?)「たわいもない世界」では「おめこ」を解禁致します。

 既読の方はスルー願います。未読の方は警報を発令しておきます。


【本文】

 一通の手紙。

 彼は何度も何度も目を通した。彼に目というものがあったなら、きっと涙を流していた事だろう。しかし、あまり想像したくない。彼の正体はチ○コ星人、巨大なチ○コが服を着て歩いていると想像していただきたい……できましたか? 

 いやいや、ケムール星人ではありません。チ○コ星人です。想像したくない理由がお分かりでしょう?

 わいせつ物ちん列罪で逮捕、有罪が確定し、刑務所に服役していたチ○コ星人はその日、刑務所からの仮釈放を迎えていた。

 保釈の条件は、顔にモザイクをかける事。

 屈辱だった。彼はくやしさに打ち震えながら思った。


 持って生まれた(?)この顔を、お母さんが産んでくれた(?)この顔にモザイクをかけるなんて。


 だがチ○コ星人は、この条件を飲んだ。全ては手紙をくれた人の為だった。彼の心はかき乱され、ついに、涙を流してしまった(うう、どんなんや?)


 刑務所の正面玄関前に、エンジン音を響かせ、疾走してきた赤い車が止まった。

 こ、これは! 跳ね馬の異名を持つフェラーリのGTカーで、その価格は約1億6000万円。500台程度の生産予定だが、問い合わせが殺到したというエピソードをもつ、フェラーリ・ラフェラーリだ!

 開発には、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサの意見が反映されている。

 平凡な収入では到底手に入らない、超高級車だ。乗っているのは月旅行に行こうかとサラッといえるIT長者なのか、はたまた闇社会に君臨するラスボスからの使者?


 刑務所の正門脇の通用門から、刑務官に深々と頭を下げたチ○コ星人が現れた。

 歩み出た彼は照りつける太陽を眩しそうに見上げている……ようだ。

 モザイクがあるので想像でしかない。ぼんやりとその輪郭は確認出来る。まあ、どちらかと言えば、薄消しだ。刑務官も不びんに思い、手心を加えたのだろう。


 チ○コ星人は、真っ赤なフェラーリに視線を釘づけにされた。微笑んでいるように見える……あくまで想像だが。


(その2へ、つづく)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る