第4話 おっぱいの憂鬱、その3

 顔を赤らめたタカシは、じっとエロい物体を見つめ、じわじわと両手を伸ばす。 それを鷲づかもうとしている事は火を見るより明らかである。

 「へへへ、ずいぶんと、ご無沙汰じゃねえか?」

 ご無沙汰? 童貞君のタカシ、ニヒルな刑事から下衆なチンピラへと豹変した。 これを人は、ご都合主義と呼ぶ。

 タカシ君よ、早まるな! 気持ちは分からないでもないが、過半数以上、いや、ほぼ八割の女性を敵に回す事になる。

 二割の、菩薩のように寛容な女性の声は小さい。よせ! タカシ君! 

 すると、エロい物体は叫んだ。

 「やめて! これ以上やると警察呼ぶわよ!」

 タカシは椅子から転げ落ち、もんどりうって、ひっくり返った!

 驚いた彼は、机に目をやる。

 と、女子生徒の制服を着て、腕を組んだおっぱいがいた。おっぱいは平然と倒れた椅子を元に戻し、座って足を組んだ。

 「あんたねえ、おっぱい見すぎなんだよ。いやらしい目つきでさあ、気持ち悪いんだよ、バーカ!」

 タカシは何故かおっぱいに説教をされた。面食らった彼はキョトンとしながらも、おっぱいに見とれる。童貞君の彼はデジタルのおっぱいを、こっそり見ていたが、アナログのおっぱいは、夢のような存在である。その夢が、目の前にいる。

 ブッ! タカシは鼻血を噴き出す。若すぎる童貞君には刺激が強すぎた。

 女子生徒の制服を着たおっぱいは、ティッシュの箱をつかんでタカシに投げた。

 「汚ねえな、拭けよ」

 鼻血に気づいたタカシは、もがもが言いながらティッシュで鼻血を拭いた。

 おっぱいは、しょうがねえなという風に、かぶりを振る。

 と、プルるんと、おっぱいが揺れた。

 見ていたタカシは、ブッ! 更に鼻血が噴き出した。あきれ返ったおっぱいは

 「正座!」

 と、タカシに命令した。

 彼は、鼻にティッシュを詰め込み、あわてて正座をする。鼻からぶら下がったティッシュが、哀れを誘った。


(その4に続く)

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