2章 俺だけが異世界に来たわけではなかった 〜その20〜






....って、思ったのに!


何で俺のベッドで寝てる人が多いんだよ!


『何でここで寝てるんですか?』


「あれ、知らなかった?」


何も知らないよ!


「影人さんが寝てる間に、部屋を4つに分けました」


説明しておいてくれよ!ガルさん!


「1つ目は、マーリンさんとガルさんの夫婦部屋です」


変な名前つけんな、タミハ!


「2つ目は、ガルさんとマークさん、ザックさんの漢部屋です」


漢の漢字を変えるなよ!


「3つ目は、チヒラさんと黄泉子さんの謎の関係部屋です」


謎って....まぁ、確かに......


「そして4つ目は、私と、サナ、ミラさん、ミルさん、那美子さん、影人さん6人で、名前は影人さんのハーレム部——」


『何でそういう事になってるんだよ!数合わせろよ!』


あと、名前!何がハーレムだ!そんな事しないからな!


「....嫌......ですか?」


上目遣いでこっちを見てくる....やめて!


『そもそも、男と女が一緒に寝る事がおかしい!』


....何回も寝てる俺が今更何言ってるんだろう。


「....それも、そうですね」


え?....わかってくれた?


『じゃあ、俺は男部屋に——』


見せた瞬間、バインダーを投げ飛ばした。


....紙破いたりするより酷くね?


「男と女5人なら、良いという事で....」


何もわかってない!やばい、バインダーを....


俺はバインダーのある方向に向かったが....


「....取らせない」


何でだ!サナ!


サナがバインダーの守り神になった。


....仕方ない。逃げる!


次は、ドアに向かった。


また、ドアの守り神が出てきた。


「....諦めなさい!影人!」


ミラ!くそ....


どうすれば良いんだ!


考えていると、サナがバインダーを返してくれた。


「....1つだけ。貴方は、誰を選ぶの?」


は?....何でそうなるんだ!


『俺は友達を作りたいんだ!以上!』


「....わかった」


そう言うと、サナは俺以外の皆に小声で話した。


何故か、一致団結みたいな感じになってる....


「....じゃあ、おやすみ」


そう言うと、皆が何処かへ行った。


....まぁ、1人で寝れるから良しとしよう。


今度は、ドアノブの所を影で固めて完全に開かなくした。


....何で、前までこの方法を使わなかったのか。


俺も馬鹿だな。


そして、眠りについた。






....目が覚めた。誰もいないと気持ちが良い。


ドアノブの影を消して......


え?何でここで寝てるの?


廊下で5人とも寝ていた。


「....影人、これはどういう状況何だ?」


マークは、俺に言ったが、俺も聞きたいぐらいなんだが......


「....あ!影人!影人のせいで......」


いきなり起きて、大声でミラが話した。


そのせいで、皆が起きた。


「....影人が部屋開けてくれないから、ここで寝たのよ?」


は?別の部屋に行ったんじゃ....


「....貴方が寝ている間に既成事実作ろう作戦が失敗した」


何、馬鹿な事言ってんの?


まさか、俺が寝てからこの部屋に入ろうと?


「私の鍵開けを使っても開かないからおかしいと思ったのよ」


『別の部屋で、寝れば良かったんじゃないか?』


「....この宿の防音は完璧ですので、何やっても音が聞こえないんですよ」


....馬鹿なんだな、全員。

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