2章 俺だけが異世界に来たわけではなかった 〜その13〜
着いた。来たのは、2回目だな。
そして、マークは扉を開けた。
「久しぶりですね」
「そうだな。お前が死ぬわけないよな」
国王が戻ってる!昨日はボロボロだったのに!
....勇者と国王は面識ぐらいあるよな。
だが、そんな事はどうでもいいんだ!
『すぐ本題に移って下さい。朝ご飯を食べたいので』
早く、ご飯を食べたい!
「....では、話をする。影人の話は後で全て聞く、これでいいな?」
俺は、頷いた。
「マークは知っているが、私は転生者だ。お前達と同じ、別の世界から来た」
....脳内が一瞬凍った。
え?マジ?
『まさか、文明を発展させたのは国王ですか?』
「まぁ、そうだな」
ありがとう、国王。
....バインダーがなければ俺は何も出来なかったよ。
「....じゃあ、影人さんと国王は同じ世界にいたんですか?」
ん?....この人はまさか......
「マークは地球と違う星の人だ」
どういう事だ?言語は日本語になっているのはわかる。だけど、何で宇宙人がこの世界に....
「僕の名前はマーク。違う星といってもあまり変わらない感じですよ?」
「私の元の世界の名前は忘れた。今は、ハーレ・プラインダルという名前だ」
これは、自己紹介なの?
『薄井影人です。2人目の勇者ではありません』
「....どういう事だ?話を......」
「そうか....」
俺は異世界に行く前にあった事を話した。
「何で選択出来たのに、来たんだ?」
は?何で?普通異世界行けるって言われたら、行くはず......
「マークはないが、私は転生する前に神の声と話をした。私は、死んだから無理だと言われたが、召喚勇者は帰る方法が......」
神の声って、あのダミ声神の事か?
『魔王を倒す事ですか?』
「いや、違う。ほぼ無理なんだ。帰るのが」
どういう事だ?俺は、帰る方法があると聞いたが......
「別の世界から来た人を殺す事が帰る方法なんだ」
....え?何で?
「....僕は別に帰る気がないから、国王を殺す事はないけど....影人。君も帰る方法が僕か国王を殺す事が帰る方法だと思う」
マジ?
....俺は、親に必ず帰るって言ったけど......
無理だな。
「おそらくだが、帰る方法が他にもあるかもしれない。あの神にもう一度会う方法があれば....」
気絶すれば、たまに会えるはずだけど......
「それで、話はこの先だ」
そういえば、まだ話してなかったな。
「影人、君がその能力で魔王を倒してくれ!」
....他人任せかよ。
というか、俺は魔王を倒さないけどな!
『お断りします。私は、魔物と人間の共存を目指します』
「....僕もその方が良いと思う」
「出来ない!そんな事は絶対に!」
国王は、急に大声を出した。
「....ですが、影人のオリジナルは強いです。その夢も叶う事が——」
「わかっている。....影人は強い。おそらく、マークより強いはずだ。だが、魔王は....」
勝手話を進めるな!何で、俺が勇者より強い事になっているんだよ!
『共存は出来ないんですか?』
「....私の父上も共存を望んだ。だが、叶わなかったんだ。母上も共に....。全てを失っても私は、国王としてやらなくてはいけない」
だから、長を決めたり色々やっていたのか....
「魔王は、話が出来る状態ではない。正気に戻さないといけない」
....今、正気じゃないのか?
「魔王が暴走かなんかをして、魔物とかも人を襲うようになったらしいんだ。その暴走した魔王を倒す為に僕が召喚されたらしいんだけど、倒さなくても良さそうだ」
「魔王を戻せるのなら....魔物が人を襲わない世界なら....そんな世界を作れるのなら......」
『作ります。私が魔王を戻してみせます』
....そんな事、本当はずっと出来ないと思っていたんだ。
でも、皆が楽しく生きられるハッピーエンドを作る為に、友達を作る為に、俺はこの世界に来たんだ!
皆が俺の能力に期待しているんだ。この世界を唯一変えられる能力....それが、創造だ!
「....僕も協力します。なので——」
「頼む。私達が出来なかった事を!この世界を救ってくれ!」
国王は何かが吹っ切れた感じだ。
俺は必ず作ってみせる!
だけど、その前に....
『朝ご飯食べたいので、話は後でいいですか?』
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