2章 俺だけが異世界に来たわけではなかった 〜その12〜






目が覚めた。


流石にもう、隣にいたりし....


右隣にタミハ、左隣にサナがいた。


何でだよ!おかしいだろ?サナは、鍵かけて入れないだろ?


おかしいのは、俺もだ!何で気づかないんだよ!


「....ん、貴方、おはよう」


「....おはようございます、影人さん」


2人とも、起きたな。


『何で隣にいるのかな?』


「貴方を守る為。感謝して欲しい」


....逆に怒るぞ?


「私は、影人さんの....何でもないです」


え....何した?俺に......


「話して、タミハ」


何を?怖いんだけど....


「....夜に——」






「....眠れない。こんなベッドで寝た事がないからかな......」


「影人さんの隣で、また寝ようかな?その方が眠れてたし....」


「....ここで、寝よ......」






「....どういう事?」


「....サナ、ここは譲れない」


「それなら——」






「....という事です」


『いや、サナ!止めろよそこは。何で、一緒に寝るんだよ!』


「....譲れない戦いがあった」


ないよ!そんなの。馬鹿が....


『鍵はどうやって開けた?』


「....針金」


そう言って、サナは針金を出した。


....何も持ってなかったって言ってたよな!


「そろそろ、行きますか?」


朝ご飯は....城が出してくれると聞いたが、申し訳ないな......


まぁ、考えないでいこう。


『行こうか』


「わかった」


「....はい!」


そして、ガルさん達との合流場所に向かった。






「....これで、揃ったな」


いや、待ってください!俺の知らない人がいます!


「....誰?」


サナが言った......


「....初めまして、チヒラです」


チヒラさん?....何故、知らない人が?


「チヒラは、名前などのその人限定のものさえあれば、位置がわかるオリジナル魔法を持っているんだ」


「それで、影人さんを見つけたんです」


位置がわかるとか、強くない?


「昨日いなかったのは、宿でお腹を——」


「寝てただけだから」


「んんー」


マーリンさんの口を塞いでいる。


....何か変な事言ってたか?


「....そろそろ、行きましょうか」


勇者も影が薄いのか?


俺はもう影が薄いのか、わからなくなっているさ。


「そうだな、行くか」


大人数で、城に行って大丈夫か?






身分証がないので、透明化で入ろうとした。


だけど......


「身分証のお持ちでない方は、勇者マークさんと影人さんで、よろしいですか?」


あれ....簡単に入れそうだな。


そういえば、勇者の名前を知らなかったが、国王は流石に知っているのか。


というか、俺を勇者だと勘違いを?


まぁ、楽に入れたら、それで良いけどサナとタミハが入れない。


『サナとタミハが入れないので、また縛って良いですか?』


「勘弁して下さい....お連れの方でしたら、何か事情があるんでしょう?構いませんよ」


『ありがとうございます』


よし、入れた!


「....影人。縛ったって、何したんだ?」


そこを突っ込まれると、また話すのが面倒だな。


『簡単に言うと、城に突撃しただけです』


「....本当に馬鹿だよ、影人は」


まぁ、俺以外に馬鹿なやついっぱいいるけどな!






「....何で、僕達だけ呼ばれたんですかね?」


俺とマーク以外は、朝ご飯を食べに行った。


『畜生!どうせ美味しい朝ご飯を今頃食べているんだろうな!』


俺は、早く話を終わらせて朝ご飯を食べる!

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