2章 俺だけが異世界に来たわけではなかった 〜その10〜
「——という事があったわけだよ」
俺達は、ガルさん達と話をしてた店で夜飯を食べている。
勇者はよくわからなくて、何故かついてきた。
ベルベストから、マーリンさんの瞬間移動で帰って来れたが、帰りに4人だったから、サナかタミハさんを連れて行かなくて良かったと思った。
ガルさんが出来事を説明してくれた。
「勇者さんは、何で呪剣なんかを?」
黄泉子さんが、言ってしまった....
「僕は人を信じやすい性格で、すぐお金を取られたりするんですよね....」
この勇者の性格は、すぐにわかったよ。
人に手を貸したり、優し過ぎだ!
何で、店の片付けとか色々しちゃうんだよ!
「それで、あの魔物に呪剣を渡されたか....」
「使ってみて、と言われて....」
馬鹿か?この勇者....
「....勇者さんは、魔王を倒したいんですか?」
....余計な事を言ったな!黄泉子さん!
「やっぱり、倒すのが使命なんだけど、僕は良くないと思う」
え....何この勇者。そもそも、魔物倒せるの?
「....魔物を倒した事ってあるの?」
俺の疑問をマーリンさんが言ってくれた。
「無理矢理、魔物を倒せと言われて....10匹ぐらい?」
は?....なんてひ弱な勇者なんだ!
まぁ、勇者も魔王を倒したくないと言っているわけだ。
「....そうか。だったら....私は影人に手を貸して、共存を目指す」
ガルさん....ありがとう。
「......馬鹿ね、ガル。ガルが行くんだったら、私も行かなきゃね」
マーリンさんも......
「....やる事ないですし、私も行っていいかな?」
黄泉子さんまで....
「....私達を忘れないで」
え....サナとタミハさんは、宿にいるんじゃ....
「私も行っていいんですか?」
「もちろん、僕も行くよ?」
....皆含めて、俺の......
『俺の友達になってくれ!』
....皆に笑われた......
黒歴史だ......
「——お姉ちゃん!これ!」
「何?ミラ....え?」
「さっき、届けてくれたんだけど....」
「......影人さん....嘘付きましたね....」
『ミラ、ミルさんへ
すぐには帰れなそうです。でも、必ず帰ってきます。
影人』
「すぐに準備して、ミラ。それに、隠れて見ている那美子も!」
「......バレていたのね....」
「何の準備するの?」
「行くのよ、影人さんの所へ——」
届いたかな?あの手紙......
飯を食べてから、ガルさん達は、別の宿に予約をとっているらしい。勇者もそっちへ行った。
それより....俺はどうしよう。
サナとタミハさんの部屋はとったけど、俺の部屋は、予約で埋まってとれないと言われている。
それで......
「私は、影人さんと寝ます」
「....タミハ、馬鹿な事言わないで。私と寝ると決まっている」
いや、決まってないから....というか歳上だよな?
1人で寝ろ!というか、2人で寝ろ!俺が1人でいいのに......
そういえば、呼び捨てで呼び合うくらい仲良くなっているのか。
『サナとタミハが2人——』
え?2人で半分ずつ破きやがった......
「何馬鹿な事言おうとしているの?」
「....私と寝ると決まっています!」
だから......
結局、じゃんけんしてサナが負けた。何で俺が1人で寝る選択肢がないのか......
「....もう、生きる意味ない......」
『何でそういう事言うんだ!1人で寝れるだろ?』
「....影人さんって、鈍感なの?」
え?俺が鈍感だと?そんなわけ......
部屋に来た。
....万が一の事を考え、2人部屋にしておいて、本当に良かった!
「....では......」
そう言うと、服を脱ぎ始めようとしたので、止めた。
「何ですか?」
こっちの台詞だ!何でいきなり脱ぎ始めようとするんだよ!
「私はご飯などのお礼として....私を......ダメでしたか?」
馬鹿じゃん。本当に....
『そんな事、やってはいけないから!』
「......私の体なんて、男1人を満たす事の出来ない——」
『違うから!本当に!早く、寝て!』
「....わかりました」
だから、何で残念そうにするんだよ!わからない....
疲れた....寝る......
俺は考えていた事を1回忘れて、眠りについた。
「——という事がありました。マウスト様」
「サキラ....勝手な行動をするな!」
「申し訳ございません。ですが、勇者を止めて......」
「勝手な行動をするな。以上」
「....失礼しました」
「勇者が来なくては、意味がないんだ——」
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