2章 俺だけが異世界に来たわけではなかった 〜その2〜
まぁ、行くか。能力はバレなきゃ良いだろう。
....面倒くさい。
あの馬鹿いるし、能力使わず戦うとか、運動サボりの俺にとっては....
命令でオートみたいな攻撃できるんじゃね?俺がただ剣で切るだけの作業みたいにできるんじゃね?
そんな事言っている間に、魔物が近づいて来た。
....はい、多過ぎる!
おかしいよ。何で、毎回違う所行く度に魔物と戦わなきゃいけないんだ。
結局、透明化と分身で何とかしてくれるかな?
俺はとりあえずオートで魔物を一匹倒した。指揮が無い為、適当に皆が暴れている。
俺達は、王都の兵が来るまで耐えてくれ、と言われたけど、早く寝たいので魔物の死体に隠れた。
透明化と俺の分身だと面倒くさくなりそうなので、馬鹿の分身でいいや。
俺は自分のではなくて、他の人の分身も作れるのか、と馬鹿と出会う前の王都までの歩き道で思った。
やってみたら、出来たんだよ。ミラが。黒いけど。
俺は、分身を作り1分くらい経つまで作り続けた。
....よし、もう終わっただろう。分身を消して....
周りを見てみると、死体がいっぱいある。村には、被害が出てないようだ。良かった....
ん?あの馬鹿....また、目が青色に......
カラーコンタクトじゃない?まさか、オリジナル魔法なのか?
「....疲れた」
そう言って、倒れた。
....本当に馬鹿だろ!
俺は、仕方なく馬鹿を担いで宿に向かった。
「王都の兵が泊まりに来て、もう部屋がないので....でも、1つしかベッドがないですが、2人で......」
『それは無理です』
なんか、このやりとりを前もやった気が......
俺は、部屋に来て馬鹿をベッドに置いた。
まぁ、眠いから、ミラの時と同じで床で寝ればいいや。
俺は、毛布を創造して、寝ようとしたら......
「それ何?」
やばい、見られた?
「こうやって......」
....は?
俺は見た。目が青色になる所を....
影の創造で毛布を創造している所を。
『オリジナル魔法ですか?』
このオリジナルはやばい。
コピーのオリジナル?....最悪、能力の略奪とかとなるとまずい......
「貴方もこの魔法、オリジナル?2つって....勇者?」
まぁ、2つ目は透明化だけど。
『騙してすみませんでした。私のオリジナル魔法は、創造する魔法です。2つオリジナルが使えるのは、修業で使えるように』
「さっき、いっぱい出てきた黒いやつは貴方が創造したもの?」
『はい。それで、貴方のオリジナル魔法は何ですか?』
「....私は、目視したものを真似できる魔法」
....は?
まぁ、略奪とかじゃなくて良かったが......
『真似って、例えば敵の真似をして、勝てるんですか?』
「勝てない。引き分けになる。それか、私が疲れて負ける」
何だ?そのオリジナル魔法....
だけど、強い魔法の真似とか、使い方によっては化ける魔法なのか......
『そうですか。質問はないので、私は寝ますね』
「....私は、貴方に言いたい事がある」
何だ?早く寝たいんだが......
『どうぞ』
「貴方について行く」
はい、無視して寝よう......
「何で無視するの?」
『いきなり変な事言うからです』
何で、他人についていこうとする人がこんなに多いんだ。
「....貴方のオリジナル魔法、興味がある。だから行く」
『寝たら家に帰って下さいね』
「家....誰もいない」
あ、言ってはいけない事を言ってしまった感じ?
「私、お父さんもお母さんもいなくなったの」
『すみませんでした。許して下さい』
「....私を連れて行くと約束したら、許す」
俺のやる事知らないくせに連れて行けとか......
『国王をぶん殴りに行くと言っても行きたいって言う?』
「うん。行く」
....馬鹿なのか?やっぱり......
『じゃあ、友達という事で、一緒に行きましょう』
「友....達?」
ん?何だ?泣きそうになってる......
「友達....できた......」
そう言って、泣き始めた。
俺にはよくわからんが、この人にも色々あるんだろうな。馬鹿だと思ってたけど......
....泣き止んだか?
「....抱きついて襲ってくれてもいいんだけど......」
やっぱり、馬鹿だな。この厨二病。
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