1章 異世界でも人と喋れない 〜その8〜



必ず倒してみせる!


俺の力を使って....守るんだ!


まず、分身を使って囮を作る。その次に、透明化で近づいて....木を吹き飛ばした時に使った影の創造の力をもう一度使う。


....よし、この作戦で行こう。






魔物が近づいて来たな....。よし、今だ!!


影の創造で分身を創造して、魔物を挑発した。魔物が分身の挑発に乗って、分身の行く方向へ着いて行っている。


次は透明化で....でも、怖いな......


相手に見えていないと分かっていながらも1分くらいだからいつ切れるか....


いや、ダメだ!弱気になってはいけない!


集中して....来い!あの時の力!!


力を溜めて、一気に魔物に打ち込んだ。






結構吹っ飛んだから、多分倒したと思うけど......


地形が酷い事になっている....


凄い遠い所に魔物っぽい跡が......


どうしよう。....とりあえず逃げるか。


俺がやったと思われないように西口の方に遠回りして、透明化でまた入るか。


....透明化が切れているが......誰かに見つかる前に走れぇー!!






「——これは、どういう事?」


「....マーリン、とりあえず魔物が倒されているっぽいから、寝たいんだけど....」


「....おい、一応死んでいるか確認しに行くぞ、ガル」


「相変わらずだな、ゼロは....」


「だから、ゼロって呼ぶな。早く行くぞ——」






......めっちゃ時間がかかったよ。運動してないって言ってるじゃん!どんだけ歩いたり走ったりしなきゃいけないんだ?


って、あれ?....西口には入国審査官の様な人が見当たらないな。避難していて、いないという事か?


まぁ、一応透明化は使って入るが......






もう朝じゃないか!眠すぎ......


お腹も空いたし、風呂にも....あ!


そういえば、ガルさんとマーリンさん、皆が逃げていた時にもいなかった気がするが....見ていないだけなのか?


....まぁいいか、瞬間移動で逃げたんだろう。


早く休みたいな......


行く当ても特にないので、とりあえず雑貨屋マーリンに行った。


寝てると思うけど、椅子借りて寝よう......






そして、ドアを開けると....


「え?君は......」


マーリンさん....よかった、生きていて....


ってか、起きてるのか....。それと......


「あぁ、今、取り込み中なんだ。今はマーリンさんに話をしていてね。すまないが、別の時間に訪ねてくれないか?」


....あのイケメン隊長、確か名前は、アラン・アルベルトだっけ?


まぁ、とりあえず宿屋みたいなものがあるかだけ聞いとくか。


『お話の中、突然すみません。宿屋があるのかだけ聞きにきたのですが』


「....マーリンさん、知り合いかい?」


「あぁ、まぁ....そうだと言えばそうだね。....宿屋は、外出てすぐ近くにあるけど、街の人達はまだ、教会の地下にいるからやってないよ」


「....というか冒険者には、魔物が街にいないかを確認するか、寝ろという連絡を入れておいたはずだが......」


『寝たかったのですが、宿屋に泊まるつもりだったので』


「まぁ、ここで休めば?」


「え....いいんですか?まぁ、マーリンさんが言うなら......」


『ありがとうございます』


やった....!


お腹空いているけど、とりあえず休みたい....


....色々あったな。明日は....まぁ、今日は、風呂があったら行くのとそろそろ服を変えたいな。パジャマを3日間着ているのはマズイ。


あとは....もういいや、考えるのはやめよう。寝る!!






「....では、本題へ入ります。マーリンさん達以外の私達が行った時にはもう魔物が倒されていました。そして、先に瞬間移動でガルデアさん、ゼロさんと一緒に行っていた時も......」


「....もう倒されていたんだよね。私達が準備していた時、凄い音がしたから瞬間移動を使って東口に来たけど、なんか地形ごと吹き飛ばした感じに魔物が倒れていたんだけど——」


「あんな地形ごとぶっ壊す威力、俺でも多分、勝てないな」


「アルゼロス、おかえり。魔物はいなかった?」


「あぁ、大丈夫だ」


「そうですか、では護衛隊、街の人達にも連絡をしてきます。ゼロさんは....」


「寝る。あと、ゼロと呼ぶなって何回言ったら......もういいや、報告したから。じゃーな」


「....では、私も。....後で話の続きをするのでその時は連絡します」


「全然話してないけど....まぁ、私も寝たいし、いいか。それでは、さようなら」


「はい、さようなら」






「....私も寝よ」

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