1章 異世界でも人と喋れない 〜その2〜
ひとまず、服を影で作ってみるか。ずっとパジャマだと色々とまずそうだからな。
まぁ、色が黒だから....
よし。パジャマの上は着て、下は捨てよう。黒のズボンの左足の方は、短くして、膝が出るように....短パンみたいだから包帯から下は、黒タイツみたいなので我慢する。黒の靴(今まで靴下だけだった)、黒色のパジャマの上に黒のコートを羽織って....
うん。カッコつけた服装になったが、もし影がなかったらパジャマで服屋まで行かなきゃならなかったよ....
でも、今も少し恥ずかしい格好をしているな......
服も出来たし、街に向かいながら色々と確認していこう....
まずは色々と、疑問を整理するか....
異世界に行けた理由は運だとして、問題は魔法というものが何故あるのかが疑問だな....
それがこの世界の普通ということなのだろうか。
あと、魔法とは別の特殊能力、《影の創造》と《透明化》についてだ。
二つ能力をくれた理由はいいとして、影の創造....これは使う度に記憶がなくなったり、何かがなくなったりするわけでもなく、ほぼ無限に使えるのが問題なんだ......。これは、強過ぎる能力だ。
もう一つの能力、透明化も強いな....。イタズラに使えるし、覗きにも......いや、何でもない。ただ、使える様になったら試しに覗きを....やらないけどさ、そんな度胸ないし......
一番疑問に思うことは人間という種族が存在するのかどうかだ。
嫌だよ?友達がゴブリンとかスライムとか....
まぁ、そんな種族も存在するかどうか定かではないが、あの木は少なくとも敵対してたよな?
他の種族も、俺に敵対してくるのか?
......そんなネガティブな発想をしちゃダメだ!足を治したいし、友達だって出来るはずだ!
でも、さっきから動物すら見当たらないのは何でだ?あの木みたいにいきなり襲いに来るとか?
....まぁ、周りに注意を払って歩いてはいるが、敵が来た時には、影の創造の力で倒す。それだけだ。
影の創造についてはほぼ理解したが、問題は透明化だ。おそらく左手に何かすれば透明になれると思っているが......
....よし、やってみるか。足は痛いが、透明化を使える様になったら、何かと便利だ。
まずは....座る。そして杖を置いて、足を少しでも楽になるように伸ばす。
右手は、いつ敵が来ても良いように自由にしておく。そして、左手に集中する。
透明になれ....ん?手が見えない......
これは、透明化が成功したという事か?
....どうやって戻せるんだ?ってか、簡単に透明化出来たな......
透明化をどうしようか迷っていたら、何故かいきなり手が見えた。
....もう少し、やってみよう。
......大体わかった。
俺の能力についてまとめると、影の創造は、黒色だけどほぼ何でも創造出来る。
そして、連続で創造できるが、同時は無理だった。あと、大きさは制限があった。
俺の分身は作れたが、それ以上の大きさは無理だった。魔法陣が大きさを超えると壊れてしまって、作ろうと思っても作れなかった。
....まぁ、それでもある程度色々作れるから強過ぎるな。
あと、解除はいつでもできるようだ。分身消えろ!って思ったら、地面に消えていった......
後は、透明化についてだ。透明化は、服ごと透明にできた。
....よかったよ、裸じゃないと使えないとかだったら。
そして、能力は1分ぐらいしか使えない。そして、1分の中で途中解除は出来ない。1分が経った後、2分ぐらい透明化が使えなくなる......
覗きには使えないが、使い方によっては強い能力だな。
とりあえず友達を作るのに、こんな強過ぎる能力なんていらないよね....
まぁ、結果的に能力で助かったが。
....そろそろ、行くか。
お腹、空いたな......
早く何処か、人のいる場所に行きたいという思いで、運良く途中で道を見つけた。その道に沿って歩いていくと、森を抜けられた。
運良いな、俺。
そして、街みたいな所が見えてきた。
....よく見ると、街の周りには塀みたいなもので囲まれていて、入り口で入国審査っぽい事をしているのがわかった。
良かった....遠くからだけど、人間っぽい種族が話しているのがわかる。
だが、入国許可証的なものは持ってないぞ?どうすれば入れるんだろう?
俺は、なんとしても入らなきゃ......
そろそろ歩くことが出来ないくらい痛いんだが....
無理やり歩いているからさ、薬みたいなものを貰わなきゃ......
夕方っぽい明るさになり、夜みたいなものがあるかもしれないので、とりあえず早く街に入りたいな。入る方法として透明化を使うのも悪くはないが....
いきなり透明化したらバレるしな......
そうだ!この方法なら......一か八かだ!
「....身分証は?....ん?何?上を指差して......」
よし、入国審査官みたいな人が上を見た瞬間に——
「おい、何も......はぁ?なんだ?あいつ、からかいにきたのかよ....。次やったらただじゃおかねぇぞ!!」
俺は入国審査官が上を見ている瞬間に透明化した。
いきなり消えたら不自然だと思ったので、影の創造で自分の分身を森の方へ走るように操作して何処かへ行ったようにして、その間に透明化で街に入り込めた。
能力の同時使用も可能ということがわかったし、操作も出来る事がわかった。
これは賭けで創造という意味を考えて、自分の作り出したものは自分で操作できる気がしたからやってみた。そしたら、出来たよ。
自分が強過ぎることを改めて理解した......
とりあえず中に入っても話せないからまずやる事は....え?
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