第4話 バネットさん

  

 「もう!アレッサのせいでスッゴい恥ずかしかったから! 」

 『リアルタイムの情報を伝えるのはワタシの役割です』

 「時と場所を考えてってこと」

 『理解できません』

 「もう・・・」石頭・・・分かってるくせに


 アレッサは正8面体の石だよ。え?またお前か?喋らせてよ アレッサの事知りたいでしょ?知りたいよね え?別にお前からじゃなくても良い?分かった 女の子のが良いのね!設定は白銀の長い髪、雪のように白い肌、瞳は猫のように大きくて、性格はツンデレでしょ! 男はみんなツンデレ派よね もう! 分かったわよ・・・今回だけだからね 

 

 石の事よね ワタシはあれの事を『石』って呼んでるの なんでって? レアが道端に転がっていたあれを、石と間違えて蹴り飛ばしたからよ。それをまだ根にもってるから、たまにレアに意地悪をするの 機械の癖に小生意気よね え?喋りがオネエっぽい?お黙りッ!

 

 戻すね、性能は量子コンピューター500台分くらいって自分で言っていたよ、そんな凄い性能を今まで見たことないけどね。ぷぷッ! え?お前よりは賢い?ぷぷぷッ! 半分正解!キミなかなか面白いね レアと会う前だったらキミでも良かったかな。何が良かったって?それは、ボクの・・・ってレアが帰ってきた。ぷぷッ!


 宿の玄関は人が出入りすると大きな呼び鈴が鳴る、耳が少し悪いバネットさんが気付きやすくするためだ。宿泊費を滞納しているボクはバネットさんと顔を合わせづらくて、いつも扉の鈴がならないようにゆっくり明け閉めしていたけど、今日からは堂々と入れる。だってお金払ったもん! 後ろめたさがないって大事だよね。


 「ただいまッ!」


 大きな呼び鈴が鳴る。いつもはこの音が怖かったけど、もう大丈夫。

 ちょうど受付に座っていたバネットさんはボクに気付くと鋭い視線を送ってきた。(こ、怖い・・・)

 「レアかい ちょっとおいで」

 「バ、バネットさん、あのッ!」

 「バカだね、無茶すんじゃないよ! お金は大事だが、命には代えれないんだからね」

 ボクがアグベアーの依頼を受けたことを言ってるんだよね。

 「・・・はい」

 「夕飯の支度できてるから、後で取りにきな」それだけ言って奥に行ってしまった。

 バネットさん心配してくれてたんだ、でも・・・ちょっと嬉しいかも クスッ


 ボクが宿泊している部屋は2階で3部屋あるうちの1部屋

 残りの2部屋は今日は空室みたい


 「ぷぷッ!ただいま」


 部屋のドアを開けると、ベットの上で1匹の小さな獣がくつろいでいた。


 「お帰りレア 待ちくたびれたよ ぷぷッ」

 

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