るるてる るる魔法学校においでよ

 りぼんの漫画家、こきち先生の代表作です。


 物語の舞台は、ルル魔法学校の中等部。魔法が存在する世界で学校で魔法を勉強していくお話なのです。

 そして主人公は、影が薄くてよく存在を忘れられちゃう女の子、猫本ねどこちゃん。

 教室に残っていても誰もいないと思われて電気を消されちゃったり、クラスメイトに話し掛けようとしても気づかれなかったりと、とにかく影が薄く。あと箒で空を飛ぶのが苦手でちょっとドジな所があります。


 そんなねどこちゃんが憧れているのが、クラスの男の子叶空くん。

 勉強も魔法も運動得意でイケメンな彼は、学年一の人気者。女子にモテてもツンとした塩対応をしますけど、そこもクールで格好いいという大人気の男の子です。

 ねどこちゃんも彼のようにキラキラ輝きたいって思っていたのですが……。


 ある日ねどこちゃんが箒に乗って空を飛んでいると、コントロールできずに叶空くんの上に落っこちてしまいました。

 それまで叶空くんは同じクラスなのにねどこちゃんの存在を認知していませんでしたけど、その一件以来ねどこちゃんの事をちゃんと見てくれるようになったのです。


 で、本作の見所は何と言っても、がんばり屋で健気なねどこちゃん。ドジで失敗続きだけど、友達を作ろうと奮闘したり、自分が不利になろうとも誰かが困っていたら見過ごせなかったりと、読んでいて応援したくなりますし、可愛いのです。


 そしてヒーロー叶空くんに恋心を抱き、ドキドキのイベントも盛りだくさん。

 魔法学校と言う設定を活かして、遠足で行った森でモンスターに襲われたところを助けられたり、魔法で手を繋いだまま離れなくなっちゃったり。読んでてキュンキュンさせてくれます。

 そして叶空くんの方も普段は素っ気ない態度を取っているように見えて、本当はねどこちゃんの事を気にしてくれます。たまに女の子として意識した時は、普段のクールな表情が崩れて可愛く赤面することもあり、このギャップが彼の魅力なのですよね。


 そして本作を語る上で、外せないキャラがもう一人。

 それはねどこちゃんや叶空くんクラスメイトの音夢くん。ねどこちゃんと幼馴染みでもある彼ですが、ねどこちゃんに対しては何故か冷たい態度……と思いきや。

 本当はねどこちゃんの事が大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大好きな、愛が重めな溺愛ヤンデレ男子なのです!


 この設定だけで推せます。ねどこちゃんをめぐって叶空くんとも三角関係を展開させてくれますし、かなり変わっていますけど可愛いやつなのです。


 絵も可愛くて、すごくほのぼのした雰囲気の作品。

 異世界ハイファンタジーが好き、学園ものが好き、頑張る女の子が好きな人にお勧めです。

 魔法学校を舞台とした素敵な青春ストーリーを、お楽しみください。

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