君は春に目を醒ます

 前回お伝えした通り、このエッセイはもうすぐ終了します。ですがその前に、これだけは紹介しておきたい作品があるのですよ。

 それは月刊LaLaで現在連載中の、縞あさと先生の『君は春に目を醒ます』と言う漫画です。エッセイを始めた当初から、いつかは紹介しなくてはと思っていた、イチオシの作品なのです!(^^)!


 主人公は絃と言う名前の、気弱な小学生四年背の女の子。学校帰りに同級生の男の子、弥太郎にいじめられて泣いています。だけどそれを助けてくれたのが、近所に住むお兄ちゃんみたいな存在、千遥くんです。

 絃は千遥くんのことが大好きですけど、小学四年生と高校二年生。いくら好きでも歳の差があって。大きくなったら好きになってくれないかななんて、思ったりしています。

 歳上のお兄ちゃんに向ける淡い恋心、可愛いですね。千遥くんも恋愛感情こそ無いものの、絃の事をとても可愛がってくれていて、本物の兄妹以上に仲良しな二人です(*´▽`)


 しかしある日、千遥くんが重い病気にかかっていたことが判明しますΣ( ゚Д゚)

 このままだと、一年生きられるかどうかも分からないと知り、ショックを受ける絃。だけど千遥くんは病気を治すために、コールドスリープをする決断をします。

 SF作品に出てくる、人間を冬眠状態にさせて眠らせるコールドスリープ。この作品では、そんなコールドスリープが医療の現場で使われているのです。コールドスリープしている間は病気の進行も止まるので、治療法が見つかるまでの間、眠ることを決めました。


 大好きな千遥くんが眠ってしまい、会えなくなってしまうことにまたショックを受ける絃。千遥くんもそんな絃のことが心配ですけど、ちゃんと別れが言えないまま、コールドスリープの日を迎えます。

 最後まで心配をかけたままだった。こんな自分はもう嫌だ。千遥くんが目を醒ました時にがっかりさせないように、強くなりたい。そう絃は決心しました。弥太郎にいじめられても、ひっ叩いてやるだけの勇気が出せるようになって。そうして少しずつ、強くなっていったのです。


 好きな人のために強くなりたいだなんて、健気です(>﹏<)

 そして実は、物語はここからが本番。千遥くんがコールドスリープしてから七年が経った頃、無事に治療が終わって、ついに長い眠りから目醒めたのです!(^^)!


 ここで注目してほしいのが、七年時間が流れたこと。小学四年生だった絃は、高校二年生に成長しています。一方千遥くんは、コールドスリープしている間は歳をとらなかったので……そう、同い年になったのです(*`▽´*)


 コールドスリープは、七歳あった歳の差を埋めることのできる夢のアイテムだったのですね。

 無事退院して復学した千遥くんは、絃と同じクラスになります。歳の差がなくなって、大好きな千遥くんとのドキドキの高校生活がスタートです(≧∇≦)


 とまあ、絃が強くなって、病気が治って、歳の差も無くなって同じクラスになって。一見すると良いことばかりなのですが、千遥くんにしてみれば眠っていた七年は一晩の出来事のような感覚。大きく成長した絃を見ても、つい妹のように接してしまいます。


 その優しいお兄さんぶりも良いのですけどね。もしも二人が本当の兄妹なら、千遥くんは間違いなくシスコンと呼ばれていたであろう溺愛ぶりを見せてくれて。絃は嬉しいような困ったような反応をしてくれます。

 その様子がとても可愛くて、千遥くんが優しくて。愛されヒロインが好きな自分としては、嬉しい限りです(*´艸`*)


 さらに、七年前は絃をいじめていた弥太郎。彼の存在も忘れてはいけません。

 強くなろうと決めた絃にひっ叩かれたその時から、弥太郎は絃の事を意識するようになり、だけどいじめていた負い目から、すっかり恋を拗らせていたのでした。

 最初いじめていたのも、好きな子いじめだったのですよね。


 絃と千遥くんと弥太郎、この三人を中心に展開される恋物語。もうコミックは何十回と読み返しているのですが、未だに読む度にキュンキュンしすぎて悶絶しています。

 まだ未完の作品ですけど、これから三人の恋がどこへ向かうのか。毎月LaLaを買って、ドキドキキュンキュンさせられながら読んでいます(#^^#)




 そう言えば自分の書いた小説にも、コールドスリープを題材とした話があります。『眠り姫JKは目覚めを待つ』と言う作品です。


 これはまだ、『君は春に目を醒ます』の連載が始まる前、どんな話なのか分からなかった頃。作者の縞あさと先生が、「いちおう歳の差ものです」とコメントしていたのとタイトルをヒントに、あれこれ予想したのが始まりでした。

「いちおう」と言うことは、普通の歳の差ものじゃない。タイトルに「目を醒ます」ってあるから、もしかしてコールドスリープでもするのかと。結果、その予想は見事正解していたわけですけど。連載が開始されるまでの間、その予想を元に内容を想像したり、自分ならコールドスリープを題材にするならどんな話を作るかを考えたりして、その時に浮かんだ一つの話が、『眠り姫JKは目覚めを待つ』の原型となりました。

 コールドスリープと言うキーワードは同じでも、内容はまるっきり別物なので、これならいけるだろうと思って筆を執ったのですが、『君は春に目を醒ます』に出会っていなかったら、やはり書くことはなかったでしょう。


 本当は自分の作品にも、千遥くんのような頼れる優しいお兄さんタイプのキャラを出したいって思うのですけど、好きなタイプのキャラだからと言って、書けるわけでは無いのですよね(;´∀`)

 自分で書くとなると何故か、歳下や気弱な男子が多いような気がします。好きなのに書けない、そんな思いをしている人は、自分以外にもいるのではないでしょうか?

 けどやはり好きなので、いつかはかっこよく頼れる歳上キャラを、書いてみたいですね。


 作者の縞あさと先生は他にも魅力的な漫画をたくさん描いていらっしゃいます。コミックになっている『魔女くんと私』、『君は春に目を醒ます』一巻に収録されている『誰も気づかないで』。他にも『君に会いに』や『きら星を歩いて』など、LaLaやLaLaDXに掲載されているコミック未収録の作品も、読みたいがために古い雑誌をBOOK・OFFで買ったりAmazonで調べたり。あの手この手を使って、ほとんど集めました。それほどまでにこの作者様の作品は好きでなのです。

 本当はこのエッセイの完結を遅らせて、一つ一つを紹介していきたいくらいですけど、入手困難な十年前の雑誌に掲載されていた作品を紹介しても分かる人は非常に限られてしまうでしょうし、興味を持ってくれた人がいても、読むのは難しいでしょうから、残念ですが割愛させていただきます(´;ω;`)


 大いに影響を与えてくれた『君は春に目を醒ます』。これからも応援し続けていきます\(^o^)/



 ……最後に一つお知らせがあります。

 50話というキリが良い所でこのエッセイは終了と書きましたけど、実は最後に用意した作品紹介が思ったより遥かに長くなってしまいり前後編に分けようかと考えています。

 小説を書いている時も思いますけど、短くまとめるのが苦手で、どうしても長くなるのですよ。

 そんなわけで次回がラストではないかもしれませんが、どうか後少しだけお付き合いください。

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