吸血鬼はお年頃シリーズ

 このエッセイでは、これまでにも何度か赤川次郎先生の作品を紹介してきました。高校時代は学校の図書室で赤川次郎先生の小説を何冊も借りて、休み時間や昼休みは誰とも話さずに、黙々と読みふけっていましたからねえ(*´▽`*)


 ……別に人嫌いと言うわけじゃなかったのですけどね。いつも本ばかり読んでいたので、皆声を掛けづらかったみたいです。けど、本を読んでいるのも楽しかったですよ。


  


 そんな自分の青春時代を潤してくれた赤川次郎先生の代表作の一つ、『吸血鬼はお年頃シリーズ』。今回はこれを紹介したいと思います。


 自分が高校生の頃はコバルト文庫から刊行されていましたけど、今はオレンジ文庫から刊行されている今作。吸血鬼と言っても、ホラーではありません。作品によってはオカルト要素が強い者もありますけど、基本は赤川次郎先生の作品らしく、ミステリーとコメディを合わせたような内容となっています。


  


 物語の舞台となるのは、現在の日本。だけどタイトルにあるように、この世界には吸血鬼が存在しています。

 そして主人公の女子高校生、神代エリカこそがその吸血鬼。彼女の父親のクロロックも吸血鬼ですが、彼女達はむやみに人の血を吸ったりする悪い吸血鬼ではありません。吸血鬼であることを周りには秘密にしながら、人間社会の中でひっそりと生きていました。


 だけど彼女達が静かに暮らしていたいと思っていても、毎回周りで奇怪な事件が起きて、巻き込まれていくのですよね。

 第一作目ではエリカの通う女子高の生徒が、血を抜かれた状態で死んでいるのが発見されて、吸血鬼の仕業と言う噂が立ちます。学校の生徒が襲われた、しかも犯人が吸血鬼なんて言われているものだから、気になったエリカは父親のクロロックと協力して事件の真相究明に乗り出すわけです。


 今振り返って思うと、高校生を主人公とした探偵もので、主人公の父親が活躍する話ってかなり珍しいんじゃないかって思います。いえ、探偵ものに限らず、両親なんていたら邪魔だから、すでに死んでいたりどっかに出張に行っていたりするパターンは少なくありませんね。


 しかし今作のエリカパパは、そんな控え目お父さんではありません。娘と一緒に事件に首を突っ込んでは、解決に一役も二役も買ってくれるのです。エリカよりも彼の方が活躍していると言う人も、結構いると思います。

 あげくシリーズが進むにつれて、会社の社長になっちゃったり。強くて頼になる、お茶目なお父さんです!(^^)!


 そしてこの吸血鬼親子、特技はただ血を吸うだけてはありません。手から衝撃波を出したり、物を燃やすことができたり、ものすごい怪力のだったりと、数々の超能力を使いこなします。

 伝承にある吸血鬼の枠におさまらないで、オリジナル設定を組み込んで面白くアレンジしていますね。

 自分も『お隣の吸血鬼くん』という吸血鬼もののお話を書きましたけど、この『吸血鬼はお年頃シリーズ』の影響を色濃く受けています。


 コミカルで愛嬌のある、吸血鬼親子の活躍劇。吸血鬼の怖いイメージを吹き飛ばしてくれることでしょう∩(´∀`)∩



 最後に一つお知らせがあります。長らく続けてきたエッセイ、一話目の紹介を除いても、今回で48話目。もうすぐ50話になりますが、その50話で完結させようと考えています。

 本当はまだまだ紹介したい作品があるのですけどね。終わろうと思った理由は、じぶんのプレゼン能力に限界を感じたからです。自分の力量では、作品の魅力を描ききれそうにない作品があまりに多くて。

 と言うわけでもうすぐ終了となりますが、残りも全力で書いていきます。どうか最後までお付き合いください。

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