番外編 名前の付け方

 今回は少し趣向を変えて、キャラクターの名前の付け方について書いていこうと思います。


 小説を書いていると、キャラクターの名前を何にするかで迷うことってありませんか? 覚えてもらうには、特徴のある名前の方がいいのかもしれない。だけどあまりに奇抜すぎるのもよくない。そのキャラクターが日本人なのか外国人なのか、はたまた人外の存在だったり、可愛らしいペットだったりで、付け方は変わってくるでしょう。


 自分は今まで何作品か物語を書いてきましたけど、名前で悩まなかったためしがありません。自分で決めた名前なのに中々覚えられないといったことも、多々ありました。


 作者が覚えられないような名前を、読者がちゃんと覚えてくれるのか心配です。だけど覚えやすい名前なんて、そうそうありませんし。だったらなんでも良いから早くつけて、書いているうちに覚えていくのが正解なのかもしれません。それにしたってやっぱり、しっくりくる名前が浮かばないことが多いのですけどね(^_^;)


 自分の過去に書いた作品を振り返ってみると、『シンデレラとカボチャの煮付け』は、名前をつけるのが楽でした。だって登場人物は全部グリム童話のキャラクターをモチーフにした奴ですから、グリム童話のキャラクターそのものの名前をつければ良いわけですから。


 唯一オリジナルの名前をつけたのが王子様。いつまでも本名が出ないと、話が書きにくいと言うことで、『エミル』と言う名前をつけましたけど、これにもちゃんと由来があります。そこの名前、実はグリム兄弟の三男、『ルートヴィヒ・エーミール・グリム』からとったものですよ。『エーミール』の部分を略して、エミルにしてみました。


 ルードヴィヒにしなかったのは、パソコンやケータイで入力しにくかったからです。書きやすさは、重要ですからね(^_^;)


 他にも『お隣の吸血鬼くん』では、キャラクター全員の名字を、JR鹿児島本線の駅名からとったりもしました。


 別に深い意味は無く、名前をどうするかで悩んでいた時、たまたま家にあった九州の地図が目に入って、適当につけました。ちょっとは捻りを加えた方が良いかなと思い、『水城(みずき)駅』からとった名前の呼び方を、『みずしろ』にしたりはしましたけど。


 きっと誰も分からないだろうなと思っていたのですが、気づいてくれた方がいて、「鹿児島本線シリーズですよね」と言われた時は、なんだか嬉しかったです(#^^#)


 他にバレンタインの話を書いた時には!チョコレートメーカーから名前をとって御出歯ゴディバさんにしたり、優しくて格好良い先輩の名前は行面イケメンくん、悪役令嬢の取り巻きの名前が鳥さんと牧さんなど、名は体を表すを体現したような名前もつけました。


 これらは全部もれなく、コメント欄で名前に対してツッコまれていましたっけ。奇抜な名前ですけど、覚えてもらうと言う意味では成功だったのかもしれません。


 名前のつけ方に拘りがあるという人は、決して少なくは無いでしょう。カクヨムユーザーだけでなく、プロの作家さんや漫画家さんでも、きっと多いはずです。


 例えば『名探偵コナン』では、キャラクターの名前の多くを探偵からとっています。主人公の江戸川コナンは、江戸川乱歩とコナン・ドイルからとったものですし、他のキャラクターも大抵は、推理小説の登場人物や作者が名前の由来になっているのです。

 一回だけしか登場しない事件の容疑者達の名前にも、拘っていますね。一つの事件の関係者が全員、武将のやプロ野球選手の名前で統一されていたり。他にもガンダムのキャラクターからとった名前もあって、遊び心満載ですね。


 このようにこだわった名前や、遊び心のある名前は、たくさんあります。基本的に名前をどうつけるかはその人の自由なのですから、何をつけても良いとは思いますが、やっぱりつけるなら、真剣に考えたいですよね。後になって、やっぱり別の名前に変えるなんて事は、極力したくありませんしね。


 ただ実は一回だけ、キャラの名前を変えたことがあります。

 今は非公開にしている作品なのですけど、それに出てくる一人の女の子の名前が、従姉妹の娘と同じ名前になってしまったのですよ!


 これはなにも、初めから狙ったわけではありません。自分はキャラに名前をつける時は、極力知り合いの名前と被らないように気を付けています。だって知り合いと同じ名前のキャラなんて、動かし辛いですもの。こんな考えの人は、きっと自分以外にもいるって信じています。


 しかし話を書いてキャラの名前をつけた時点では、その従姉妹の子供はまだ産まれていなかったのです。だけど話を書き終えた後になって、産まれたと言う話と、どんな名前になったかの連絡がが来て、ビックリしました。 

 そして同時に悩みました。キャラの名前を、このまま使い続けて良いものかどうか。たまたま同じになっただけなら、まあ良いかって思ってそのまま使ったかもしれません。ですが実は、その物語に出てくる同名のキャラと言うのが、少々個性的と言うか、おバカと言うか、ぶっ飛んだ感じの女の子だったのですよ。


 自分は書いた小説を親戚に見せてはいません。新しく産まれたその子は、まだ字も読めません。

 それでも万が一、目に触れるようなことがあったら。自分と同じ名前の女の子が、頭のネジが外れたような子で、その話の作者が親戚の叔父さんだと知ったらどうなるでしょうか? 下手をしたら、「叔父さんが意地悪してくる」なんて言われて、嫌われてしまうかもしれません。

 ただでさえたまに会っても警戒されて近づいても逃げて行くと言う扱いを受けているのに!


 と言うわけで、一度は決めていた名前を、やっぱり変えることにしました。知り合いと同じ名前と言うのは、色々とややこしいですものね(^_^;)


 皆さんは名前をつける時に、拘ったり気を付けたりする事ってありますか? 

 また、こんな名前にしたことで、こんな事になったと言う、面白いエピソードはありますか?

 

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