夏目友人帳

『夏目友人帳』。現在月刊LaLaに連載されている、何度もアニメ化された作品です。


 主人公は、幼い頃から時々、変な物を 見てきた男の子、夏目貴志。他の人には見えないそれらは、妖怪と言われる者の類。

 昔両親を亡くして以来、親戚の家をたらい回しにされていた夏目は遠縁の親戚、田舎町に住む藤原夫妻に引き取られます。今までは厄介者扱いされることの多かった夏目ですけど、この藤原夫妻は優しい人で、夏目を快く受け入れてくれました。そんな藤原夫妻に気味の悪い思いをさせない為に、夏目は妖怪が見えることを秘密にしていたのでした。


 そして最近、何故かやたらと妖怪に絡まれ、追いかけられることの多い夏目。ある日執拗に追いかけてくる妖怪から逃げている最中、夏目は誤って社の封印を解いてしまい、封じられていた別の妖怪を呼び起こしてしまうのですが、そいつは不細工な猫の姿をした、どこか愛らしいニャンコの妖怪だったのです。

 不細工ニャンコは自らをニャンコ先生と名乗り、なぜ夏目が最近になって妖怪に絡まれるようになったのか、そのわけを教えてくれました。


 曰く、昔この辺りに住んでいた今は亡き夏目の祖母、夏目レイコも妖怪が見える人でした。そして彼女は生前、たくさんの妖怪の名前を奪い書き記した『友人帳』なるものを作っていました。

 妖怪は名前を奪われたら、決してその相手に逆らえなくなるのです。その為友人帳を手に入れて、多くの妖怪を従えようとする悪い妖怪が、夏目を狙ってきていたと言うわけです。

 その後ニャンコ先生は、悪い妖怪から夏目を守る用心棒となり、夏目はレイコが奪った名前を妖怪達に返していくことを決めました。



 良い妖怪も悪い妖怪も出てくる夏目友人帳。襲ってくる妖怪と戦う場面もありますけど、この作品の見どころは戦闘面よりも、妖怪や人との触れ合いにあると思っています。

 夏目と同じような妖怪が見えた為、いつも一人だった祖父レイコの事を、ずっと心配してくれていた妖怪がいたり、イジメられているところを助けてもらって、以後夏目に懐くようになった子キツネの妖怪がいたり。妖怪と言うと怖いイメージがあるかもしれませんし、もちろん怖い奴も出てきますけど、心優しい妖怪も数多く登場します。中には人間と恋に落ちる妖怪もいて、綺麗な恋のお話が描かれていました。


 そして、忘れてはいけないのが、夏目を引き取ってくれた藤原夫妻の存在です。今まで夏目を預かった親戚の人達は、夏目の事をぞんざいに扱う事が多かったのに対して、この二人は愛情をもって、家族として夏目に接してくれます。

 妖怪が見える事は隠していても、夏目も藤原夫妻の事は大事に思っていて、血の繋がった親子でなくても家族になれるのだと、読んでて思いました。



 それと、ここから先は完全に個人の意見になるのですが。

 自分は最初この作品を、アニメで知りました。小中学校の時の友達から、自分達の地元を舞台のモデルとした妖怪モノのアニメがあると聞かされたのです。そう、地元です。アニメ夏目友人帳の舞台のモデルは、自分の地元だったのです。

 しかも自分は昔から妖怪モノが好きで、その友達とも妖怪の話をしょっちゅうしていました。そして、いつか地元を舞台とした妖怪が出てくる物語を作れたらいいなと思っていました。なので、夏目友人帳は衝撃的でした。何しろ自分が描きたかった物が、そこにあったわけですから。

 アニメを見たら、小学校の時の通学路が、実家の最寄り駅が、そこに映っているのです。テンション上がりまくりですよ(≧▽≦)


 2018年に映画が公開された時はスクリーンを見ながら、「あ、あの田舎道を走っているバスは地元のバスだ」「今スクリーンに映ったお菓子は地元の銘菓、誉の陣太鼓だ」などと思って、少し変わった楽しみ方をしていました。

 今や地元の本屋に行くと、夏目友人帳の特設コーナーが作られていて、夏目友人帳とコラボした花火大会のポスターが、毎年町のあちこちに貼られるようになりました。花火大会の会場では、アニメ夏目友人帳の主題歌が流れるのが定番となっていますし、ニャンコ先生からの応援メッセージが流れたこともあります。



 夏目友人帳のおかげで、地元に観光客が増えました。これからも夏目友人帳人気で、地元が盛り上がっていくことを願っています!(^^)!

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