番外編 小学生の頃の作文
前回ラストゲームを紹介した時に、自分が小説を書くようになったきっかけも書きましたけど、実はラストゲームを読んでから小説を書くようになるまでは数年のスパンがありました。
頭の中であれこれストーリーを想像することはありましたけど、ちゃんと書き始めたのは30歳を過ぎてからのことです。
しかし、思い返してみたら、昔から読むだけでなく書く方にも興味があったのではないかと思います。
その根拠は、小学生の頃の国語の時間に書いた作文にあります。ある時授業で、二人の男の子と女の子が、宝物を探しに島に冒険しに行くという話を読みました。そして先生から、こんな感じで宝物を探すお話を書くよう、課題が出されたのです。
しかし自分は、いきなり書けと言われても、どんな風に書けば良いのかわからず困ってしまいました。だからとりあえず図書室に行って、『宝島』や『エルマーの冒険』等、参考になりそうな本を読むところから始めたのです。
またある時は、何でも良いから自分の好きなように作文を書くという課題が出されました。当時はオカルトがマイブームで、怪談やオカルト要素のある冒険小説をたくさん読んでいたので、そこからイメージして作文を書き上げました。
その結果二作品とも、どこかで聞いたような話の寄せ集めみたいになっていたと思います。当時の自分は、まだ自分の物語を作るだけの技量がやはりありませんでした。
書いた作文はもうとっくに捨ててしまっていますけど、もし今目の前に出されたら、恥ずかしくてシュレッダーにかけるかもしれません。
そしてこの二つの作文には、ある共通点がありました。それは他のこの作文と比べて少し……いえ、かなり長いと言う事です。
他の子はせいぜい原稿用紙二枚くらい。対して自分は、十枚を越えていました。だって先生、文字数制限なんて設けなかったんですもの。書きたいことを全部書いていたら、これくらいの量になってしまいました。
今でもコンテストや自主企画で文字数制限がある時は、その範囲内に纏めるのが苦手なので、もしかしたら当時からそこは進歩していないのかもしれません。
しかし、そうして出来上がった作文は、悲しい結末を迎えました。書かれた作文は友達と交換しあって読みあうのですけど、自分の作文は長いからと、読んでくれる人がほとんどいなかったのです。
そりゃそうです。普通なら原稿用紙二枚読めばすむのに、十枚を越える話をわざわざ読もうとする子なんて、そんなにいません。授業中、皆の前で音読する機会もありましたけど、自分だけ読んでいる途中で先生からストップがかかりました。
こうして、頑張った割にはあまり読まれることがなかったわけですけど、それでもこの時は書く楽しさを感じていたのだろうと思います。でなきゃ勉強が好きに訳でもないのに、長々と書いたりしませんもの。
あれから二十年、本格的に物語を書く楽しさを見つけることができました。もしかしたらあの日の国語の授業は、今の自分に繋がる大きな影響を与えていたのかもしれません。
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