2023/04/15 2:03/鷦鷯飛蝗

封を解かれたノイズが泣き濡れたように凝る

シャッターみたいな階段を降れば

肌に染み込んでくる雲のようなつめたさ

山肌をなめる藪にはまだ夜が佇み

彼らがやがて逃げ場を失うと

果てしない光が畝になって

わたしたちを遠く耕す


死人の唇みたような色の

雲底が剥がれて

腸は地の色を鈍く映している

巫娼が読み取った吉凶はそのまま舐め取られて還らない


雑徭を滴らす、ひとつの身体たちと

はざまを流動する膿とに

漕ぎ出したいボトルシップが

自分も瓶も壊さぬ船出を要求して

撓むのは瓶の側

耳障りな軋みがすべてを

粒子に還してくれるなら



顛末は誰もが知っている

押し切られたのは籐の網籠

歪められた交点を梳いて踊る波

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