2022/05/01 22:15/鷦鷯飛蝗

あなたのひとみに

あるいはにおいに

かれたくても

こわばる街角の

灯る空隙に立って

組み伏せた躰の奥を

探れないまま


音綯うこころのたよりなさが

立つ瀬の深寸みじかさを

思い起こさせる

忍得おしえきれない

約まりを觧くには

くびもとに嬰れて

鳴り廻す他ない


「浮きがまた跳ねた」

そう言ってまたあなたはゆびのはらをあてがう

十分にあたたかく、

過分にやわらかいいのちで

あなたには読める


こころみに爨げば今は弛んだ雑踏の死んだ只中に在って


ひといきにためらいを取り消した

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