2020/05/06 22:52/鷦鷯飛蝗

蒼白い煙が視えたから

恐らく僕はもう征けません

ああ、このような

瞬間に遇えるとは

独り占めして

悪いような

そんな気もします

優柔不断を置き去りにして

浮島の湯気を嗅いで躍った

何の不思議もないことであると

草葉の陰から言っていた

爪の先程の

丸い歪みが視えたから

きっと私はもう逝けません

方法だけ奪って

原理を放置するから

醜く萎びて往くのでしょう

そういう責め苦を戯れにかける

幼気な悪魔の視界

端に触れた、これは罰でしょうか

痙攣が文字を紡ぐ

ことばを置き去りにして

文様だけを運び出す

労わられたら

信じてしまうよ

小島の隅で

震えて泣いていろ

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