2020/04/21 20:19/鷦鷯飛蝗

吹き荒れる、沈んでいく

人の香りだけ、雨で流して

水はけがいいから、真砂の潮

足許も沈んでいく

躊躇しないのが取り柄なのに

今の一歩は鈍かった

ブレた、自覚を半ば固めて疑い

拐されるがままに夢の奥へと落ちていく

目盛りの幅が伸縮して

世界の鼓動が知覚を騙してゆく

罅を視る、柔らかく湿ったおか

脆さを思う、きっと確かさの

触れる指先の決め付けが答えを失う

失う、このまま、沈むことも、落ちていくことも

校正には無理があり、把握には嘘がある

作り上げた物語もフラ付いているから

他の物語を聞かせて、信じていいはずの。

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