2020/02/15 21:17/鷦鷯飛蝗

鋼が綺麗に鳴きますから

思わず梢を鳴らしたのです

誤魔化せはしなかったので

黄金がちらちら見切れました

湯冷めするかと思われましたので

怠惰な夢見を化外に任せました

ただ一切は過ぎて行きます

ひっそりと置いてあった身体の輪郭は

どろどろに融けて

無様にまた固まりなおしていきます

裡が変わらないからこその

恥ずかしさみたいな掻痒に励まされ

私は鹿の瞳を思います

瞳孔がいつしかきゅっと縮まって

箱型をとって気付くのです

わるい黒山羊に

見据えられていたと

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