2020/02/14 20:03/鷦鷯飛蝗

舌を齧っている

夜の弓に

乳白色の薄絹を

かき分けながら

光る涙が走り抜けてゆく

ざらつく舗装も今は雨の下

うねる地殻が空を荒く舐めて

大気は幽かな啼き殸を漏らす

浮き沈みの無い力に

疾く、疾くと叫ぶのは

欲しがってばかりの

この身の切なさを雪ぐため

ただ思うままに遊ぶため

乗る義理の無い車は

ひしゃげた車軸でからから鳴いて

売った命に

気前よく爪を課す

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