2019/10/29 19:08/鷦鷯飛蝗

膝上10cmの波音を嗅ぐ

緋に煽られる髪はささやかに

まだ届かない夜風の気配は涼やかに

凍らない陽を背に見つめていた

広げた掌は冷たくて

ふくらかに骨ばんでいた

砂が足の甲を浚う

見えなくてもわかる

触れなくてもわかる


大抵のところ思い込みでしかない願いと

例外的に叶う想いとを載せて

もう奏でられない悔恨を傍に

抱きしめられる前にと

意味の滴をこっそり放った

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