2019/09/13 20:42/鷦鷯飛蝗

悪夢をみるのは熱の出た夜

扁平な質感の丘に視野狭窄の風が歌う

風呂場のアヒルになった僕は

歯車製の竜が軋む

機械仕掛けの壁に挟まれて

弾け飛ぶチェーンとネジの雨

色のない世界で

耳障りな風だけが歌う


縮こまる空と

波打つ扁平が砕けて

赤熱する網膜が

瞼の裏を溶かして転がる

その海を泳ぐ意識も

粘る熔岩に誑かされて

白を奪う

夜を奪う

朝日を奪う

目が醒めても、夜だ

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