2019/08/26 23:14/鷦鷯飛蝗

もう染み付いて

流れない仄かを拭う

ただ指先に塗りたかっただけだ

頬と指先に分かちたかっただけだ

より早く風化するとしても

包まれていたいという願いかもしれない

粘り気を纏う

闇を拾う

奥底から湧く哀の

寒気の鋭さに

壁紙を掻く

剥がれた爪を噛む

固まった血を舐める

催した吐き気に溺れたい

刃を見初めたい

建て付けの悪い扉は壊して

残骸で足の裏を切ろう

血管に入り込んだ棘が

心臓にたどり着くまで寝よう

読み上げた心騙して

書き換えた思いを食べよう


捲れない朝

経られないなら

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