2019/08/12 16:00/鷦鷯飛蝗

鏡面の罪が

鈴の音で啼いたのが聞こえたか

正面の国で

その棘が抜けたのを見かけたか


愛せよと命ぜらるるままに撓み

信ずることもなく憾み

ぶたないでくれと哀れに逃げ惑う


一面の白色で見えない

とってつけたよう三本線

過去の抜け殻に立ち止まり

煙る町の夜長にかき暮らす


激突は不惑であって

啻に内部が揺れ混ざるのみ

音としての酷暑が網戸を透かして

気だるさに起き上がれないこの身を誘う

君たちはいつもそうだ

冬夏とうかの姉妹にくるまれて、ぼくら

抱きしめられて

去るときにだけ虚しさにほっとする

ゆびさきの温度ひとつ

守れないぼくらだ

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