2019/08/01 0:54/鷦鷯飛蝗

世界じみて反吐がでるきみの涙を

掬うぼくの薬指が爛れて熔ける

四本だけになったぼくの左手を

きみの右手とからめることはもうできない

誰が繋いでくれと言った?

この連なりを砕いて放せ

早く、聞くだけ無意味な言い訳と一緒に棄てさせてくれ


罰だ何だともったいつけて

漸く解けたこの手を歪めてまで

縛り付ける君は何者だ

きみはどこに行ってしまったの

何でぼくは君に結わえられているの

誰がぼくを君に結わえたの

ねえ、きみはどこにいったの

どこで見ているの


そんな言葉を口にできない自分に安心しきって

僕はみだりに惰眠を貪る

ついてしまった吐き癖は

常に何かを受け入れる場所をあけておくためなんだと思う

君に繋がれながら

いつかまたきみを受け止められるようになんて未練がましく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る