2019/07/31 23:59/鷦鷯飛蝗
ぬるい呼吸を塗りたくったきみの
頬の滑らかさを思う
冷え切ったゆびさきの切なさを撫でる
いたらないぼくの口癖を詰る
そうやって赦されたがっていたぼくを
ゆるしてくれるきみはもういない
きみのとなりはもう空いていない
ただ埋め尽くすものが
きみのとっておいてくれた場所を
塞いでしまっていて
なんぴとたりとも割り込むことを
許してくれない
何歩遅かったことか数えようがない
悔やむ意味だってどこにもない
今こんなことを考えていることだって無意味だし
独りなのに湧いてくるこの熱も無意味だ
届かない便りを書くのは自分に届けるため
思うだけじゃ沈んでいかない澱を鎮めるため
無駄じゃないんだって言い聞かせて
マイナスをゼロまで持っていこうとする
溺れないように蹴る水には手応えが無くて
結局深く引きずり込まれるだけだ
どうせ息だってできるのだからと
黙って墜ちていくのも身軽だ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます