2019/07/19 20:59/鷦鷯飛蝗

六角柱が立ち並ぶ

草原の隅に

今も夕立

草葉に雨滴

黄緑色の空は

崖下に流れ落ちる小川を照らせない


六角柱の根元がぬかるんで

草原の隅に

細い洞窟

闇夜に焚火

ゆらめく焔は

鍾乳石から滴り落ちる水滴を焦がせない


崖下に空

捲られた大地

不在の野

遙か頭上に魚が舞う

魚喰らう魚が舞う

千切れた尾鰭が墜ちてくる

支えた怯えが閉じてくる


扉一枚

建っていたから

向こうもみないで押してみたんだ

中で別れて左右に倒れて

変わらぬ野原が延びていたんだ

僕は知らない野原に至って

扉を踏み越えそこに至って

胸をいっぱい息をしてみた

六角柱の

空の香りだ

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