2019/07/19 20:59/鷦鷯飛蝗
六角柱が立ち並ぶ
草原の隅に
今も夕立
草葉に雨滴
黄緑色の空は
崖下に流れ落ちる小川を照らせない
六角柱の根元がぬかるんで
草原の隅に
細い洞窟
闇夜に焚火
ゆらめく焔は
鍾乳石から滴り落ちる
水滴を焦がせない
崖下に空
捲られた大地
不在の野
遙か頭上に魚が舞う
魚喰らう魚が舞う
千切れた尾鰭が墜ちてくる
支えた怯えが閉じてくる
扉一枚
建っていたから
向こうもみないで押してみたんだ
中で別れて左右に倒れて
変わらぬ野原が延びていたんだ
僕は知らない野原に至って
扉を踏み越えそこに至って
胸をいっぱい息をしてみた
六角柱の
空の香りだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます