2019/07/17 23:02/鷦鷯飛蝗

住まわぬ社を超えて征け

まつろわぬ杜を焼いて逝け


刷り込まれた道など要らぬ

刳り込まれた空など知らぬ

問いさえはるかに

身を欠いて放て

誰が願えば叶うというの


気付きはしない、誰も

衛星に咲く花の綻びなんて

気付けはしない、何も

綻びを裂く綾の薄氷うすらひなんて

ここにあるはずのないものばかりが去来する

みたことのないもの

ふれたことのないもの

幸せじゃない者

入れたはずじゃないものでできたおもちゃ箱

訳知り顔で踊る影は

お前は何者だ


売る咎を撒いて厭いていく

る時を割いて剥いでいく

ねえ、星が落ちて、もう終わりにしようって

生き延びるためでもなく

閉ざした窟屋いわやの翳でもなく

力の限りと砕いた潮の

哭く先の

乞わぬ夜半よわこそ漕いで溢せよ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る