2019/07/16 20:31/鷦鷯飛蝗
世界なんてつまらなかった
物語が欲しかった
そこら辺の草も
いつも通りの夕焼けも
どうでもよかった
音楽より画像
画像より映像
インタラクティブなんて知りはしなかった
語りかけても応えてくれないと思ってた、世界は
それは違うんだって、光、教えてくれたのは君だった
色を知らなかった
雨音も聞こえなかった
僕に世界の観方を教えてくれたのは君なんだ
道行く猫にも目を留めさせて
死にゆく午後にも陽を暮れさせて
そう願ったのはそれよりあとのいつだったかのこと
ただのセルロースでも
刳り込まれた無限の複雑性が心を揺らす
揺れる心をつくってくれたのも君だよ
でも君は僕じゃない
大丈夫、忘れてない
空のやりきれなさと同じくらい自明に、うん、わかってる
今歩むこの脚も
立ち止まって木々撫でるこの指も
君のじゃない、僕の、なんだ
伝えないでいよう、止まらない朝
黙って送り出す朝を
いつかと夢見て
会えない今日も躍るのだ
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