2019/07/06 17:31/鷦鷯飛蝗
隧道にハイエナ
雨はそぼ降る
行く手は山道
天使が降るための
雲が世界を圧し潰そうとするから
天使は光で切り裂いた
粟立つ素肌を水銀に染めて
輝きの終端に
閉じこもらない響きを避ける
泳ぐ視線の中心に針の穴ほどの黒点一つ
自分がどこを見据えているか誤魔化せないから
轟の愁嘆に
聞き漏らさない命を撫でる
鬱ぐ欺瞞の銃身に仮の沫ほどの黒点一つ
膨れ上がるそいつが誰のものか騙せないから
広がった穴に天使が袖を通す
無造作な攪拌と無遠慮な行間を読み違えて
撃ち損ねたのは先手ではなく黒点の中心
手遅れになる前なんてものはなかった
反応は収束するもので、その意味で何もかもが初めから手遅れだ
終わってしまった手順通りは孕んでいた自由度なんて知りもしない
その立場から眺められるものなどどこにもない
なにもない
願望をくべて
孤劫の旅人
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