2019/05/07 20:15/鷦鷯飛蝗
植物由来の塵芥、漂って、浮かんで、たまには落ちて、僕の鼻をこしょこしょ擽って、髭の
あれは何?
わからないね
わからないから こわいね
わからないからうつくしいんだね
こわいから うつくしいんだよね
竹林、陽翳がちらつく
この手にしがみつくビニール袋に
あなたを感じてしまう春の日
不在がうるさいくらいに残滓を掻き立てる
舞う正体不明の繊維粉が違和感を掻き立てる
なんだっけ
なんでもないんだね
なんでもないならどうでもいいね
回す鍵の軋みに感じるのはわたしの時間じゃない
そんなものは感じたくないので
このアパートの築年数を思い浮かべる
計算は実のところ連想、追憶であって、やっぱりわたしの時間を掘り起こす
あなたと過ごした時間を引き算し始める
鼻が蠢いて、すべてを忘れさせてくれた
思い出させるだけ思い出させて、忘れさせた、ちらちら舞い散る繊維粉とわたし
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます