2019/05/05 22:38/鷦鷯飛蝗
恥ずかしいな
そんなこと言わないで
長らく忘れていたよ
ここは故郷より虫が多いから
君はきっと嫌いだろ
また来てなんて言えないよ
言えないからさ
今度はきっと君の方
忘れてしまった奥の方
青空眺めてた、河原の、君の、そのままで
目の前に現れたって驚きやしないんだ
いつも通りに上がり込んで、一服して、お話しして
いつも通り玄関で手を振るんだ
閉まったドアに鍵をかけようとして思い出す
そんなわけはないんだって
嘘みたいな髪の色で
瞳の色で
透けるような服の色で
指先で
却って僕を信じさせようとするそのいじらしさが
やっぱり君は来てくれたんだろうと
どっちでもいいやって
喉が渇く
追伸:
鍵は開けたままにしておく
君が忘れ物を取りに来るときのために
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