第4話 拓かれた活路

「ただいま、フローラ。あら、お客様?」


 木製の玄関扉がギィと音を立てて開き、リーリアさんが入ってきた。


「あっ、姉様! おかえりなさい!」


 フローラは軽やかな足取りで出迎え、身重のリーリアさんが靴を脱ぐのを手伝った。


 まずはフローラ達を説得して、騎士団と戦う気力を起こさせる。もちろん拒否される線もあるし、恐らくその可能性の方が高いかもしれないが、やってみるしかない。そもそもこれはチュートリアルだ。必ずクリアできるよう道筋が何通りも用意されているはずだ。


「はじめまして、龍宮寺咲人です。こっちがホビット剣士のマルポロ」


「ぐ、軍師殿〜! 拙者は妖精ではないであるよ!!」


「あら! マルポロさんは小さくて可愛いから、褒め言葉ですよ〜!」


 フローラが愛でるようにマルポロの頭を撫でた。マルポロは頬を膨らませ赤くなっている。


「フローラ殿! それはフォローになってないであるよ! 拙者の憧れはもっと長身で、母上のような・・・」


「どーも! どーも! 村長のユーチです!!!」


「うわぁ!! びっくりしたである!」


 マルポロは驚いて尻餅をついた。その様子をリーリアさんがあらあらと呆れたように笑い、最初と同様「もう、お父様!」と、フローラが村長に対して叱りつけている。


 この時点で村長から騎士団への報告は終わっている可能性が高い。だが、魔法も存在する世界だ。如何なる交信手段を使っているかわからない。引き続き悟られぬよう、村長の目を引き離す必要があるな。


「マルポロ」


 俺はこっそりとマルポロに耳打ちをした。


「どうしたであるか? 軍師殿」


 マルポロも俺に合わせ、声をひそめる。


「明日、ここは戦場になる。戦いを有利に進めるためにも、この村の地形を把握しておいてくれないか?」


「何者かが攻めてくるであるか!?」


 マルポロの目の色が一瞬にして武人色に染まった。


「恐らく王国の騎士団が俺たちを狙ってここにやってくる。目的は俺たちの身柄の拘束・連行だが、捕まるわけにはいかない。迎え撃つためにも、協力してくれ」


「もちろんである! 今日の我が身は明日の軍師殿の為に捧ぐもの・・・、この命の限り戦うである!」


 マルポロは眉を凛々しく釣り上げ、笑んだ口元を作り俺を見た。


「頼もしいな。そこで、案内役なんだが・・・村長に請うてみてはくれないか?」


「村長殿・・・? フローラ殿ではダメであるか? 拙者、同性の方が気兼ねはないのであるが・・・。」


 そう言いつつ、マルポロはさり気なくフローラを一瞥した。


「村長は恐らく俺たちの存在を王国に密告している。あくまで俺の推測に過ぎないが、ほぼ間違いない」


「本当であるか!?」


「ああ、だから村長に俺たちの意図が悟られないように頼む。慎重に、かといって不自然な挙動がないようにな」


「軍師殿はどうするであるか?」


「俺の方は人集めだ。恐らく王国騎士団は小隊規模の人数で来る。正直お前1人で対処できる数じゃない。だからこの村で戦える人をフローラに協力を仰いで募り、迎え撃つ体制を作る。その間、村長の目を遠ざけておくのもお前の役目だ」


「了解したである! お任せあれ、軍師殿!」


「ヒソヒソと、何かお困りですかな?」


 村長が俺たちの様子に見兼ね、首を傾げながら声をかけてきた。


「あ、すいません! マルポロの奴がトイレに行きたくなったのに、恥ずかしくて言い出せなかったそうで・・・な! マルポロ!」


 俺はマルポロの背中を、察しろと言わんがばかりにポンと叩く。


「そ、そうである! あぁ〜拙者、お股がムズムズして・・・もう漏れそうであるぅ〜!」


 マルポロは顔を赤らめ、作った内股をギュッと手で抑え腰を揺らした。融通の利かない性格かと思っていたが、意外に察しが良い。ナイス演技だ。


「そ、それはいけない! フローラ! 早く案内を」


「あぁ〜!! 拙者、村長殿に案内してもらいたいであるぅ! ぜひ村長殿と一緒におトイレしたいであるぅ〜!」


 マルポロは股を抑え、クネクネといやらしく体を揺らしながら懇願した。


「えっ!? 一緒におトイレって・・・そ、そのワシは娘もいる手前、年頃の少女のそういう姿を見るのはちょっと・・・いや、別に興味がないわけではないが村長という立場上、軽率にアブノーマルな領域に踏み込めないわけで〜、その〜」


「お父様! わけわかんないこと言ってないで早く行ってあげて! マルポロさん限界だよ!」


 フローラが本当に焦った様子で急かした。まぁ仮に漏らした場合、掃除するのはフローラだからな・・・。


「す、すまない!! マルポロ殿! こちらへ!!」


「す、すまぬである村長殿!!!」


 マルポロは村長に連れられ、トイレに向かった。あとはそのまま案内役の話を持ちかけて、村長を遠ざけてくれるだろう。咄嗟の作戦だったが、うまくいって良かった・・・。


「もう、お父様ったら・・・。父がお見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ございませんでした、咲人様」


 フローラはペコリと綺麗な謝罪の礼をした。そのクオリティは先刻のデュリエットとは雲泥の差だ。


「いや、こちらこそ迷惑をかけたな。すまない。ところでフローラ、リーリアさん。折り入ってお話があるんだが、いいかな?」


「え? は、はい・・・」


 フローラとリーリアさんは、きょとんと察しのつかない顔でこちらを見つめた。






                   *






「え!? お、王国の騎士団が咲人様達を・・・・。そ、その密告人がお、お父様・・・なのですか!?」


 フローラは口を覆い、瞳孔を小さくして絶句した。リーリアさんも眉間にしわを寄せ、驚きを隠せない様子だ。


「そうなんだ。だが、俺たちは連行されるわけにはいかない。そこで、フローラ達に騎士団を撃退する協力をお願いしたい」


 俺はまっすぐと、自身の要請の正しさを貫き通すように2人を見据えた。


「し、しかし姉は身重で、私も非力が故に剣術も槍術も心得がございません。魔術も時間をかけながら簡単な魔導書を詠唱できる程度なので・・・、しかも相手があの名だたる剣士であるスケイル団長率いる王国の騎士団では・・・お役に立てそうにはありません・・・」


 フローラは、己の無力を悔いるような震えた声で詫びた。


 だが、それでいい。俺はこの子を戦わせるつもりは毛頭ないからな。


「いや、フローラやリーリアさんは戦わなくてもいいんだ。俺のせいで無駄な犠牲は出したくない。だから、この村で武器を扱える人を集めてくれないか?」


「は、はい。それでしたら何人か心当たりがございます」


「あ、あと・・・」


 俺は少々フローラの言葉を食い気味に口を開いた。


「さっきフローラは魔導が使えると言ったな。それは誰かから教わったものなのか?」


「そ、そうです。村の西外れの森にぽっかり穴の空いた巨木があるんですけど、そこにかつて魔導の一族にいた女の子が住んでいるんです。その方から少し・・・」


 その言葉を聞き、俺はトランポリンから身が弾むように気持ちが高揚した。


 勝ち筋・・・、勝利への活路を見出した時の快感が、踊る波のように俺の胸の内を暴れ回る。


「フローラ! 俺をその人のところへ案内してくれないか?」


 俺は高まる気持ちのあまり、脇目も振らずフローラの右手を両手で握った。フローラの両頬が林檎のように染まっていく。


「リーリアさん。その体ですみませんが、武器を扱える人のところへ行って、なんとか事情を説明してはもらえませんか? 王国は重い課税を強いてかなりの反感を買っているはずですから、その気持ちを駆り立ててもらって」


「待って・・・」


 リーリアさんは俺の一方的な言葉を断ち、一呼吸置いた後、口を開いた。


「確かに、王国の圧政は私達の我慢の限界に達しつつあるわ。でも、仮にここで王国騎士団を撃退したとして、その後王国は必ず総力を挙げてこの村を潰しにくるわ。軍国主義を推し進める今の国王なら拍車をかけて・・・。そうなれば私達は・・・夫のアヴェルは・・・お腹のこの子は・・・」


 しまった・・・。


 リーリアさんの悲しみに満ちたその声と面持ちを見て俺は我に返り、高まっていた気持ちを一旦抑えつけた。


 俺は自分の目的だけを勝手に考えて行動し、それをこの2人にも押し付けようとしていた。彼女達にも生活があるんだ・・・マルポロと違って、俺の為に全てを投げ出してくれと頼める相手じゃない。


 だが、俺とって騎士団の打倒は成さねばならない必達目標。せっかく見えた勝利への光明だ、なんとか糸口を見つけ出さないと。


「リーリアさん、王都での国王の評判はいかがなものかご存知ですか?」


「ええっと・・・、やはり王都でも貧富の格差が開き、大多数の市民から不満が出ていると聞ているわ。革命軍も立ち上がり、そのトップには元王国騎士団長のグスタフ様が立ち、市民の支持を得ていると・・・」


「それですよ、リーリアさん!!!」


 俺は再びテンションを上げ近くにあった椅子の上に立ち、リーリアさんを指差して声を高くした。


「今、王国の評判は地に堕ちていると言ってもいい。しかも革命軍が立ち上がっていれば尚更だ。ここで俺たちがスケイル団長を討ち取れば、革命の気運は一気に高まり、市民達は王国打倒へと動き出す。そうなれば王国はこの村を攻撃する余裕を作ることができなくなる! つまり、この村が王国打倒の火付け役になればいいんだ!」


 見下ろした2人の目がみるみると輝きを増していく。2人にも俺の勝利の光明が伝染したようだ。


「革命軍が立ち上がれば・・・! あのグスタフ様ならきっとやってくれる・・・そうなれば、アヴェル・・・このお腹の子と一緒に貴方と暮らせるのね・・・」


 リーリアさんは少し涙を浮かべて立ち上がり、玄関に揃えられた自身の皮の靴を履きながら、こちらを見つめた。


「咲人様・・・私、貴方を信じるわ。戦える者は私が説得して必ず集めるから、どうか平和な世を・・・お腹にいるこの子が安心して暮らせる世界を私達にお与えください」


 その目はとても静かで穏やかで、それでいて何物より力強かった。

 

 母親が自分の子の幸せを願うこと、そんな至極当たり前のことが込められたその言葉は、俺にとっては逆に酷く妬ましいものだった。俺の母親は、リーリアさんのような優しい温もりを持った人間ではなかったから・・・。


「必ず、勝ってみせます。皆が平和に暮らせる争いのない世界のために」


 そう返した俺を、リーリアさんは柔らかな笑みで見つめ、足早に外へ出て行った。


「あの、咲人様」


 フローラが一変して不安な面持ちで話しかけてきた。


「どうした? フローラ」


「お父様は・・・王国の騎士団と繋がっているのですよね? ということはお父様は・・・。」


 なるほど、密告者である父のことを案じているのか。確かに俺からすれば村長は敵だが、仮にもフローラとリーリアさんの父親だ。しかも自分の村を守るが故の行動・・・彼もまた被害者なんだ。


「大丈夫だ。村長の身の安全は保証するさ」


「は、はい! ありがとうございます! 咲人様」






                   *






 木々の生い茂る村の西外れ。ジメッと湿った苔の道、幾つもの枝に覆われたその空間は昼間なのに薄暗く、いかにも魔女が住み着いていそうな雰囲気だ。

 

 ペキペキと、落ちている枯れ枝を踏みしめながら、俺とフローラは森の奥へと進んでいく。


「マギカルちゃんは、数年前に隣国の戦争で落ち延びた魔導一家の生き残りで、父に許諾を得てここに住んでいるんです。魔物が村を襲った時に、退治するという契約で。私や咲人さんとは同い年だから、気軽にお話できますよ」


「ま、待て。この辺一帯は魔物が出るのか!?」


 俺は少々怯え気味に顎を震わせた。


「いえ、滅多には出ないんですけど、万が一という場合もありますから、けどまぁ、8割方は父の親切心ですかね!」


 村長も本来は情に厚く、娘からも慕われる人間なんだ。上に立つものは、時に非情で不本意な決断を迫られる時がある。だがそれが最善であるならば、下の者達の為にも迷わずその決断をするべきなんだ。だから村長は、なんら間違ってはいない。


「あ! 咲人様、見えてきましたよ!」


「・・・すごいな」


 その荘厳な巨木の周りだけ木々が避けるかのように分かれ、太陽の光が差し込んでいた。大きさにして約30メートルくらいだろうか。巨木の真ん中にはぽっかりと穴が空いていて、中からはカンテラの光のような明かりが漏れている。そして人の出入りがあるかのような木製の梯子が、穴から掛かっていた。


「「マギカルちゃーん!!! いますかー!!!」」


 フローラは両手を顔前に構え、目一杯の声でマギカルを呼んだ。


「しょ、しょにょ声は、ふ、フローラちゃん!? にゃぁ〜にぃ?」


 穴からひょっこりと、紫色のとんがったマジカルハットが飛び出し、その下から丸メガネを掛けた、オレンジ色のうねった髪型の女の子が顔を覗かせた。垂れ気味の目尻と、気の抜けた話し方は、俺を締め付けていた緊張の圧を取り去り、逆に親しみやすさをもたらした。


「ちょ、ちょっと待ってにぇ! 今降りるかりゃ!」


 マギカルは黒いローブを纏った体を乗り出し、梯子に足をかけて、ゆっくりと降りだした。


「「ん"にゃッ!!??」」


 マギカルは梯子からズルッと足を踏み外し、そのまま下に落下した。


 ドン!!!!!


 「んにぎゃ〜。。。。。」


 勢いよく地面に落下したマギカルの顔を覗き込むと、まるで漫画のように目を回してのびていた。魔導の使いということで期待していたが、この始末ではだんだんと心配が積もっていく・・・。


「だ、大丈夫ですか? マギカルちゃん・・・」











「「マギカル!!! ふっっっっかぁーーーーーーーっつつつ!!!!!!」」











「うわ!!!!!」


 突如飛び起きたマギカルにたまげた俺は、情けなく尻餅をついた。地面に強打した臀部がジンジンと痛みだす。


「ごめん、ちょっとお昼寝してて、寝ぼけてただけ。で? 私に何の用かしら? フローラちゃん。・・・? この頼りなさそうな人はどなた?」


 地面でヘタれている俺を、マギカルは目を細めて見下ろした。寝ぼけてただけ・・・? まるで別人じゃないか・・・。


「頼りなさそうで悪かったな。依頼人だよ、あんたに協力して欲しいんだ」


「・・・・・・とりあえず、上がりなよ」






                   *






 巨木の穴の中は部屋になっていて、全ての家具が、木の幹を加工して作られている。天井に吊り下げられた複数のカンテラや、獣の皮で作られた敷物、沢山の果物が盛られた木の皿など、まるで巨匠の手掛けたアニメ映画のワンシーンで出てきそうな家だ。


「脚立もないのに、どうやって天井に吊るされたカンテラに火をつけてるんだ?」


 俺は素朴な疑問をうっかり漏らした。


「あれ? フローラちゃん、この人に私のこと話してなかったの? 私魔導使いだから、あの程度の火を点けたり消したりするのは簡単にできるよ」


 マギカルは得意げな顔を頬杖で支えた。


「あっ・・・そっか」


 ここは現実の世界ではないという自覚が、まだはっきりと定着していなかった。あくまでエレメントクライシスをプレイしているという気分を取り戻さなければ。


「で、私に協力してほしいことって?」


「あ、その・・・実は」


 フローラはかくかくしかじかと、俺のこと、王国騎士団のこと、革命軍のこと、明日起こることについて、脚色を加えることなく懇切丁寧に説明した。


「要するに、そこの咲人ちゃんを王国騎士団から守るために、私の魔導が必要ということなんだね?」


 咲人ちゃんってなんだよ。


「そうなんです。咲人ちゃん・・・あっいや、咲人様を守ってあげてください」











「無理ね」











「え!?」


 フローラはきっぱりとしたマギカルの返答に戸惑いの声を上げた。


「冷静に考えてフローラちゃん。確かに私も今の王国に対しては憤りを感じているし、他でもないあなたの頼みだから戦う義理はある。でも、相手はあのスケイル団長だよ? 私の魔導でどうにかできる程度の人間なら、王国の騎士団長なんてやってない・・・スケイルを倒すのはあなた達が考えている程、容易なことじゃないよ」


 マギカルは静かながらも圧のこもった言葉で俺たちを諭した。


 エレクラにおいて、重装ユニットは基本的に対物理攻撃に対しては滅法強いが、一転して魔法系の攻撃に対しては耐性が無く、それが突破口として設けられている場合が多い。だからこそフローラから魔導使いがいるということを聞いて、それが攻略法だと確信していた。だが、それは違った。


「咲人様・・・やはり私達では騎士団を倒すことはできないのでしょうか・・・」


 フローラがうつむき、弱音を吐く。


「待ってくれ・・・。少し考えさせてくれ」


 これはゲームからのメッセージだ。クリアするにはまだ何かが足りない。考えろ、整理しろ、思い出せ。村の地形、構造、所有物・・・。それらをエレクラの基本と組み合わせて、思いつくんだ・・・活路を!!!


「・・・咲人ちゃんがどういう人かは知らないけどさ、フローラちゃんはなんでそんなに必死なの? 好きなの? 咲人ちゃんが」


「え!? えええええ!!! いや、そういうことじゃないですけど・・・」


 フローラは顔を熟した果実のように真っ赤に染め、両手と首をブンブン横振って否定した。


 そこまであからさまに否定されると少しショックだな・・・。まぁやり直して出会ったばっかで、一方的に仲良くなってると俺が思い込んでる状態だしな。


「で、でも、咲人様とは以前どこかで出会っていて、話したような感じがするんです。いや、本当は今日初めて出会ったはずなんですけど、そんな気がしないというか・・・一緒に星を見ながら楽しくお話したような記憶がなぜかあるんです」


「!?」


 俺は照れ臭そうに話すフローラの顔をギョッと見つめた。


 前の記憶が・・・残っているのか?


「不思議〜。夢の中で出会っていたとか? ロマンチックだね〜」


 マギカルはからかうようにフローラの頬を指でつついた。


「ちょ、ちょっとマギカルちゃん!」


「てか、フローラちゃんのほっぺたすっごい熱い!! 私のブリザーの魔導で冷やしてあげよっか?」


「け、結構です!!」


 ニヒヒと笑うマギカルの手を、フローラは少し不貞腐れ気味に払いのけた。


 ブリザー・・・・・!! そうか!!!!


「マギカル」


「咲人ちゃん? 何か思いついたの?」


 マギカルは目を丸くしてこちらを見つめた。


「今ブリザーの魔導と言ったな。どのくらい扱えるんだ?」


「そりゃもう、私の1番得意な魔導だからね。自信あるよ〜。この巨木を完全に凍りつかせるくらいはできるかな」


 マギカルはフフンと鼻を鳴らし、誇った。相当な自信がある証拠だ。


「よし、上出来だ。なら結論から言おう」


 










「「今から話すこの作戦なら、確実に王国騎士団を・・・スケイルを倒せる・・・・!!」」











「え・・・・?」


 2人のおどけた表情は、一瞬にして覚悟の顔へと変貌した。







第4章 「拓かれた活路」

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