第4話 非行

 青年は地元の中学に入学した。


 その中学は、県での有数のヤンキー中学だった。


 毎日ヤンキーに絡まれ、青年は毎日学校に行くのが嫌になった。


 ある日、ヤンキーに呼ばれ、煙草を薦められた。


 青年は最初は断ったものの、断りきれずに吸ってしまった。


 鼻から抜けるメンソールにむせる。でも、そんな感覚が大人になったと勘違いをした。



 青年はそこから狂ったように非行にはしった。毎日毎日、原付のエンジンを吹かし、喧嘩をして、朝帰りだ。ラブホテルにも行った。


 そんな青年の目に余る行動は、施設の職員は許さなかった。


 青年に、好きな人ができた。女は、黒髪清楚で勉強もでき、身長も百七十あって、スタイルも良かった。


 不器用なやり方で、好意をアピールしたが、伝わらず、二年がたった。



 §



 回りは一気に受験に向けて、一心不乱に努力をしていたが、青年は毎日遊び呆けていた。


 いつも通り朝から学校をさぼって、いつの間にか青黒い夜の色が頭の上に広がっていた。


 「――あの」女の声がした。振り返る。


 女は、青年が好意を寄せていた人物だった。青年は驚き、たどたどしくなる。


 他のヤンキーと別れ、女の話を聞く。


 「――実は、貴方はいつも、その、私に好意を寄せていたから……その、私も好きになってしまったの」女は照れながら話す。


 青年は幸福間で顔を浮かす。「付き合おう」と言った。女はうん、と答えた。


 


 

 

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