第3話 家族

 慧さんの家族は、ちょっと頑固なお父さんと優しくお茶目なお母さん。


 慧さんは一人娘で小さなスーパーに務めている。


 僕が家に着いた時、みんなで僕の瓶を囲んで色々話しているのが聞こえた。


「白くて小さくて可愛いわねぇ」

 これは、お母さん。

「こんな小さい瓶の中で大丈夫なのか?」

 これはお父さん。


 慧さんがお店の人から聞いたことを伝えている。それから後でネットで詳しく調べてみることも。


 名前を「白玉」にしたと慧さんが報告すると

 お父さんが、ニヤリとして言った。

「白玉ぁ?それよかエビみたいなんだからフライがいいよ」


 慧さんとお母さんが一斉にダメ出ししたけど、お父さんは譲らずに悪ノリしたまま

「フライ、しっかり太って大きくなるんだぞー」

 と言って笑った。


 そうして買ってきた小さなエサの粒をそっと瓶の上から入れてくれた。


 僕は買ってくれたのがこの家の人で良かったかもしれないなんて考えながら、その日の食事を終えたのだった。


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