第3話 家族
慧さんの家族は、ちょっと頑固なお父さんと優しくお茶目なお母さん。
慧さんは一人娘で小さなスーパーに務めている。
僕が家に着いた時、みんなで僕の瓶を囲んで色々話しているのが聞こえた。
「白くて小さくて可愛いわねぇ」
これは、お母さん。
「こんな小さい瓶の中で大丈夫なのか?」
これはお父さん。
慧さんがお店の人から聞いたことを伝えている。それから後でネットで詳しく調べてみることも。
名前を「白玉」にしたと慧さんが報告すると
お父さんが、ニヤリとして言った。
「白玉ぁ?それよかエビみたいなんだからフライがいいよ」
慧さんとお母さんが一斉にダメ出ししたけど、お父さんは譲らずに悪ノリしたまま
「フライ、しっかり太って大きくなるんだぞー」
と言って笑った。
そうして買ってきた小さなエサの粒をそっと瓶の上から入れてくれた。
僕は買ってくれたのがこの家の人で良かったかもしれないなんて考えながら、その日の食事を終えたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます