第2話 山の上の家
慧さんは僕の入った瓶と餌の小箱をしっかり両手に抱えて、できるだけそっと揺らさないようにしながらバスに乗った。
僕の瓶には蓋があって空気穴がいくつもあけられている。
それでも慧さんは心配だったみたいでバスが揺れる度に僕の様子を気にしてくれた。
バスを降り、しばらく舗装されてない山道を登った先にその家はあった。
僕には初めて見る空と緑と太陽だった。
雑貨店の電球の光とは違う眩しさに、僕は思わず、流木の下に隠れこんだ。
慧さんが笑って言った。
「白玉ちゃん、家に着いたよ」
古いけど大きな青い屋根の一軒家は高台にあって周りを森に囲まれ、庭からは遠くの海が見えた。
暖かな日差しが瓶を優しく照らしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます