いただきます

  『いただきます』いつもの食卓やお店、学校で手を合わせて、合わせなくてもこれをいう。私はあと何回この言葉を言うのだろう。この言葉を忘れるまでか止める時が来たときなのだろうか・・・ 

 私は、いつからか『食べる』ということが苦痛になっていた。別に拒食というわけでも、食べ物が嫌いになった訳でもない。それに食べたご飯はちゃんとおいしいと感じる。しかし何故か苦痛なのだ。

 これに理由を求めるならば、なんとなく、そう、ただ何となく生き物を食べるという感覚が苦手なのだ。今まで生きていた『モノ』を、どこかで生きていた牛や豚、鶏、そして魚といった生き物を殺しそれを食べるという行為があまり好きに慣れないだけなのだ。

 しかし食べなければ私は生きていけないのだそして何より私は今日も生きていたい。生き続けていたいのだ・・・

        だから私は今日も食べる。

        食卓にならんだご飯を食べる。

              ・

              ・

        だからこそ今日も『いただきます』。







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小咄『こばなし』 長屋11号室 @nagaya11

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