第2章「光り輝くほうへ」
そうこうしているうちに、後期の講義も始まり、それぞれにユニークなメンバーが活躍した。四年間共に活動したのは、村中徹同学年同学部、彼女を得るために上智に来たと公言しわたしとは距離を置くが、しばしば火花を散らす経済学部のライバルであった。
伊藤努=生命科学を学ぶが、破天荒に見えてて、実は繊細。新一の親友であり活動家である。経済学部の経営学科の東山俊、履修した科目が重なりわたしの学習の好敵手。進学校の出身、勉強なんて手慣れたものであった。時田先生、温厚なイエズス会司祭。聖書研究会を主宰しカトリック学生の会の責任者であり何くれとなく学生に愛情を注ぐ朴訥な風貌、学内の陰の実力者。そして英文学科の中山君、、ペーパーブックを携帯し教科書はいつもきれいで同クラスの恐い彼女が教科書の勉強が足りないと怒られていた。
そして『後ろ向きの生き方で派手な所はちっとも無いけれども、それが却って人間らしいしみじみとした情感を感じさせる=三省堂新明解国語辞典「ペーソス」より。ペーソスに
あふれた私その故かキョウジュなどとあだなされてしまった彼も光の方に向かって歩み始めた
「光りあるうちに光の方を歩め。」と云うトルストイの本の題名の様に仲間たちは光の方をあゆみはじめたようである。
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