第三録

「…えっと〜。話を整理すると大天使ガブリエルは元々あの世界の創造主的な存在であの世界を天から見守っていた。しかし、あの国…えっと〜さっきからあの国あの国言ってはいるが名前なんていうんだ。」

「これは失礼。あの国はクロウ大陸。そしてあなたが先程までいて元凶である国バレン王国。この世界で一番権力を持っている国です。」

「その、バレン王国が大天使ガブリエルを信仰する教『ガブ教』を嫌っていて高度な技術でガブリエルを呪い大陸の地へと降ろさせた。そして、極め付けに『勇者召喚の儀』をやり仕留めようとしている。…結構惨忍なんですね。その王って。じゃあさっきいた娘さんらしき人も…」

「いえ、あの人はいい人です。逆に兵士からの信頼も厚いです。逆に王は表向きはいい人のふりをして王城内では乱暴でやばいやつなんです。」


…これは…色々といけないな。最低でも相手は神だ。そのような事をするなんてなんていうかだ。


「…それで、どうやって探せばいいんですか?」

「とりあえず、クロウ王国全体で探してみてください。」

「つまり旅をしろっていう事か。けどなんで俺なんですか。俺以外でもよかったんじゃないんですか?俺以外の方がかっこいいし。」

「…私がそれだけの理由で選んだとおもう?」

「…と言うと。」

「あら〜、もう分かっているんじゃないの?」

「流石だな神さま。」


やはり分かっていたか。流石だ。

「分かった。協力しよう。けど、俺は今スキルがないんだが。」

そう、俺のスキルは全てハテナになっていた。これじゃあ冒険どころの話ではない。

「あ〜それについては安心して。私があなたに!」

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