そして…

裸だった坂丸にパジャマを着せて寝かせていたがやがて坂丸が目を覚ました。



「ここは…」


「目が覚めたか!?」


しかしその時坂丸に大きな変化が…!

坂丸は少しずつ理性を取り戻し、それと同時にこれまでの出来事を思い出していってしまうのである!




「もうやだあぁぁぁぁ!!!」



坂丸は頭を抱え大声で泣きだした。



「どうした坂丸!?」

坂丸を介抱して問いただすユズル、そしてユイ達。



「俺もうお嫁に行けない!!」

「あぁ、あんな事があったからな…」


泣き出す坂丸にユイ先輩が曰くありげに呟く。


「落ち着いて!とりあえずミー達に話してみてください!」


ユイが坂丸を落ち着かせ、話させる。


ーーー


坂丸はユズルとの戦いの後ハリセンパワーの使い過ぎで精神が極限にまで削られ、気が触れてしまった。


気が触れて全ての記憶を失った坂丸は今いる場所をただ彷徨い歩く。

その時異締会社の近くに来てそこに保護される。



「こいつどうする?」

「さあ?」


何を聞いても上の空で何も答えない坂丸に困る警備員、その時現れたのが異締反則、異締会社の息子だった。


「何があった(こいつ、記憶を失ってるのか?くくく、これは面白そうだ♪)」



「はい、実はこの男がここ付近にうろついて…」

「皆まで言わんでいい、とりあえずこの男を私に預からせてくれ!」


そして坂丸を保護することにする反則。

坂丸は現状では反則とはライバル関係にあり、どちらかが座を追われない限り永遠に蹴落としあい、競い合わなければならなかった。


ここ最近一気に成績が伸び、流石の反則も坂丸には手を煩わしていた。

気が触れて意識がどこかへ飛んだ状態である事は反則に幸運の女神が微笑んだと言っても過言ではない状況だった。


「僕…何をしようとしてたの…?」


ふと坂丸がそのような事を口走る。

その言葉に反則が目を光らせたのは言うまでもない。


「君は露出プレーをしようとしてた所なんだよ、徳島の繁華街の場所でね♪」


反則は坂丸に嘘の言葉を流す。

それを信じきった坂丸は繁華街の中で裸となり、その中を走っていった。


結局坂丸は捕まり、警官は懲戒免職とされた。

そこで反則の目の上のたんこぶは消えたところだが、反則はこのままで終わらせるつもりは無かった。


「愛してんぜ!愛してんぜ!愛してんぜ!」


坂丸は警官の座を追われただけでなく異締家の犬小屋で性処理用の道具にされた。


「しかし警官が激務でストレス溜まるとは言え外で裸になるのはどれだけ変態なんだよ!」


坂丸を詰りながら鬱憤を晴らしていく男性達。

坂丸はそんな中男達に奉仕するのが任務と言われそれを信じたまま男達に奉仕を続けていた。


「異締家のお坊っちゃんは気前が良いな、この変態さんをタダでやらせてくれるんだからな!」


その様子を眺める異締親子。


(坂丸はいつか意識を取り戻すかもしれんぞ?)


(その時はその時さ♪どちらにせよあいつは警官の身分は剥奪された、後はあいつ次第だよ♪)


(流石は我が息子、いじめのプロ♪)


(いえいえ、父上程では♪)


親子はそう囁きあい坂丸がやられ続けているのをみて棒を弄りまわしていた。


ーーー


ユズルに抱かれたまま泣き崩れる坂丸。


「ひどい…」とユイ。


そんな時ユズルが意を決して言葉を放った。



「嫁の貰い手がいないのなら、俺が貰ってやる!」


「………えっ?」


ユズルに顔を見上げる坂丸。



「俺が………お前の夫になってやる!」



ユズルは緊張して声を出すのがやっとの状態だが意識が飛びそうなのをなんとか踏ん張って言葉を出してみた。



ユズルもまた、坂丸同様穴があれば入りたい状態だった。

それでフラれたらどうしようとも思った。



しかし坂丸はそのあと更に涙を瞳いっぱいに溢れさせ、ユズルに抱きついて大声で泣いた。



「これで一件落着……かな?」

「うん、そうみたいだね……」



抱き合う男二人を遠い目で見据える二人のユイ。

これで異性なら凄く感動のシーンだがいかんせん同性の為これはシュールな光景でしかなかった。


「ま、それはミー達も同じだけどな♪」


するとユイ先輩はユイの肩に腕をまわし、体を引き寄せる。

引き寄せられたユイは「もう、ユイ先輩ったら♪」と言いまんざらでも無い気持ちでユイ先輩に甘えるようにひっついていた。



いつのまにかユイ達もどこかで惹かれあったのだろう。


そして本格的な戦いは始まった!


その後、立波譲は世の中いじめを無くす会副会長となり、そして立波坂丸の夫となった。


そして立波坂丸は世の中のいじめを無くす会会長となり、そして立波譲の妻となった。


一方、ユイ、そしてユイ先輩は異締財閥の暴挙を暴き、それを世間に広めた。

二人のユイの活躍もあり、クローン技術に問題視するメディアが増え始め、クローンや遺伝子の組み替え技術を禁止する法案が出来上がるなど成果を見せた。


ーーーー



「もう行ってしまわれるんですか?」



阿波おどり空港にユイ達を見送る坂丸達。



「あぁ、ミー達はまたWNI世界に戻ってその小説で活躍していきたい、ユイと一緒にな!」


「ずっとノファン作品にいるわけにもいかないからね、でもユズルさん達と活躍出来て良かったよ、ありがとう♪」


二人は交互に礼を述べる。


「しばらく会えないだろうがたまにコラボとかで出てくるかも知れないからその時はよろしくな!」


やや男言葉っぽいのがユイ先輩、一方のユイは淑やかで大人しめと言った感じだ。

しかし二人は相性が良い。


それにしても彼女ら、年の近い兄妹、カップルに見えなくもない。


「出来たらずっとここで活躍して欲しかったけどノファンキャラじゃないからね、僕らはこれからもWNIを見に行くよ!」


とユズルは言う。


そして飛行機が見えなくなるまで見送るユズルと坂丸。


「行ってしまったな………」

「行ってしまったね………」


そしてユズルが坂丸の肩に腕を回す。


「俺たちも行くか!新たな門出へ!」

「ああっ!」


そしてユズルと坂丸は新たな世界へと足一歩踏み出した。


そして坂丸のお腹の中にはユズルと坂丸の愛の結晶が中ですくすくと育っていった。


互いに駄目になった同士だが何とかなる。



愛と笑いがあればどんなに笑われても生きていける。



ユズルと坂丸は馬鹿なだけが取り柄だ。

その馬鹿さでこれからも世の中の理不尽さを笑い飛ばして欲しい。



ノファンはもう限界だ………。


ーーー


異締結社は家宅捜査の対象に入り、異締親子は海外への逃亡を余儀なくされた。


「どうした浮かない顔して?」


息子に聞く父親、無理もない話だが。


「当然でしょう!僕らはこれからどうすれば良いんですか!?」


ヒステリックになる反則。

一方の仕葉は余裕だ。


「そうヒスるな、世の中のいじめがなくならない限りは何とかなる♪」


そう言い仕葉は反則に顔を引っ付けながら服を脱がす。


「あっ、父上…こんな所で…♪」


父上から淫らな事を行われているにも関わらず一言弱く言うだけで抵抗出来ない反則。


「良いじゃないか、幼い頃からそうしてきたんだ、違うか?」


そして父と息子はいけない世界にまた入って行くのだった。



「愛してんぜ♪」

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