全自動の罠

*………過激な表現はオブラートに包んでいます。




「あーウーロン茶ヌルヌル♪」



デュッコデュッコデュッコ♪



「愛してんぜ愛してんぜ愛してんぜ!!」


俺は複数の男を相手にし、全てがヌルヌルにされている。


今何時だっけ…。

そろそろ仕事に行かなきゃいけない時間じゃ…。

何でこんな事をしてるんだろう?



臭い部屋で臭いものに塗れてドブ掃除をさせられている俺…。


その間に顔立ちは整っているがいやらしい目をしたおじさんに見つめられ、イタズラされる。



「ほら、力仕事ばかりでしんどいだろう?たまには別の仕事もさせてあげるよ♪」


そう言いおじさんは俺に硬いものを俺の口の中に入れていく。


生臭い匂いだが反抗も出来ず、その欲求に答えスッキリさせてあげる…。


しかしその後いつも通りドブ掃除をさせられるのだ。


おかげで全身は体を洗っても臭いが取れないでいた。


仕事が終わった後は体を洗わせてもらえるのは良いがそのあと逃げられないように拘束され、犬のように地べたを這いつくばらなければならない.



俺は確か誰かを更生させに…。

徐々にだが自分が何者なのか、何をしようとしていたのかわかってきた気がする。



しかし何だか曖昧なものだ。

何だか目の前に四次元の空間があって、目の前の風景がグルグルと渦巻いているような………。



目的がはっきりしない…。



警察官だったようだが誰かの飼い犬だったような気もする……学生だった気も………どれが本当の俺なのかわからない……。



しかし目の前には獣のような目をしたおじさん達。



「愛してんぜ!愛してんぜ!愛してんぜ!」


俺は苦痛のなかで複数のおじさんの相手をしたり、ドブ掃除をしたりしながら過ごしていたが、何か重要な事を忘れている気もした。


ーーー


俺は立波譲。

坂丸とのバトルで更生し、坂丸と母さんから受け取った聖剣を担いで坂丸を救出に向かっているところだが………。


俺はバイクをレンタルで借りて目的地まで走らせている。

そんな時のこと…。



『愛してんで!愛してんで!愛してんで!』


とアレンと言う戦神が宿った聖剣が気持ち悪い喘ぎ声を出していた。


「おいアレン!冒険の最中に気持ち悪い声を出すなよ!!」


アレンの喘ぎ声がハッキリ言って耳障りで、俺はこう声にだした。


『あ、ああすまんな♪ジパングて色んなHENTAI文化があって良えなあ思うてな!』



アレンはガハハと笑っている。

全く近くでその声を聞かされているこっちの身にもなって欲しいものだ。


『それとユズルはん?』


「なんだ?」


アレンが突然俺に何かを聞いてきた。


『あんさん◯◯一日に何回しよん?』


馬鹿!そんな事聞いてくる奴がどこにいる!??

その途端俺はバランスを崩し電信柱に激突した。



ガシャーーーン!!!



「!!!」


そこでピンク色の髪の女性がその現場に遭遇する。


「誰か倒れている!救急車呼ばないと…!」


その女性は119番をかける。

その時、何かが女性に話しかけてきた。


『なあなああんさん?』


「ちょっと後にしていただけますか?」


ピンク色の髪の女性はシッシと言わんばかりに謎の声を振り切る。

その時病院と連絡が繋がる。


『もしもし、◯▽病院です』

『なあなああんさんって!』

「ああもうシャラップ!!」


女性はキレた途端にハリセンでその対象者を張り倒す。


「ぼ、僕は無事だから…今は無事じゃないけど…」


張り倒された男性、ユズルは女性の一撃でまた怪我をした。


それから、そのピンク色の髪の女性を見てユズルは誰か見覚えがある気がするのだった。


「ゆ、ユー…ソーリー…」


女性はユズルに謝る。

今はその病院で手当てをしてもらい、病室から出たところだった。


その女性も何故かハリセンを持ち歩いており髪はピンク色で可愛らしい顔をした若い女性だった。

メガネをかけてOL風の格好をしているが面影がユイに、似ている。


「ぼ、僕は無事ですから、それじゃ…」


女性に慣れてないユズルは慌てるように女性から去っていくが聖剣がそれを止めてしまう。


『ユズルはん!その子はあれやで!』

「アレってなんだよ!そもそもお前が!」

「あ、あの!」


聖剣とユズルが言い合っている時、女性がユズルに聞いてきた。


「え?(まずい…おかしな奴に思われたかな?)」


側から見ると独りごちているような感じなのでおかしな人に思われているのではとユズルは焦った。


「あなたも『選ばれし者』ですか?」


その女性はユズルに聞いてきた。


「選ばれし者?」


この子もちょっと頭のネジが飛んでるのか?

とユズルは思ったが…。


「あ、エクスキュースミー(すみません)、ミーはユイという者です、ミーは製造会社の従業員をしてますがたまに声が聞こえてきてそれに答えると皆にストレンジ(怪しまれて)されて困ってるのです」


ユイと名乗る女性はそう言う。

他の同じような人にも気持ちをわかって欲しかったのだろう。


「なんだかよくわからないけどその『選ばれし者』って一度死んだ人が…?」


「そうみたいなんです、よくわからないけど…」

『あんさん、その娘はんも仲間にしたらどうや?』


聖剣が尋ねてくる。


「おいおい、正気かよ?」

「あ、ミーなら…ちょうど会社がノーモア(嫌)になってきたところだし…」


ユイにも聖剣の声が聞こえるようだった。


「君も聖剣の声が聞こえるの?」

「い、イエス…」


「というより会社いきなり辞めちゃって良いの?」


ユズルは女性に尋ねる。

ユズル本人もニートとして過ごしてきたものだがそれはそれだ。


「それなのですが…ミーにはそれよりももっと大事なミッション(使命)があるような気がして…」


ユイは眉を潜め拳をギュッと握る。

真剣に行先と向き合っているようだがどこか違う気もする。


「それとミーにも声が聞こえるのですが…それはミーとそっくりな…その方はポリスウィメンをしているようですが…」


ユイ先輩の事である。

ユイ先輩は他のYUIを培養カプセルから救出した。

もし自分に何かあった時のために…。


「君もそのクローン人間というやつか?」


「クローン人間?」


目の前のユイはクローンについては初耳だったようだ。


「いや何でもない、とにかく異締なんとかと言う会社はとんでもないことをしていて、それが一般に出回ってしまうといずれ世界が混乱に巻き込まれてしまうのは事実のようだ」



ユズルはユイ自身がクローン人間だと言う事実を知るとショックを与えかねないと思い、その話は反らせつつ異締バイオテクノロジーが何かいわくありげな目的で研究を続けている事を突き止めた。



『何や面白いな、こう言うん遥か昔のトロイヤ戦争以来や、わいも燃えてきたでー!』



アレンは張り切る。

戦の神というだけあって(戦に関しては)ポジティブ思考の持ち主である。

そしてユズル、アレン、そしてユイは負の連鎖を断ち切りに、最後の戦いに身を投じる。


戦うとなると少なからず犠牲はつきものとなる。


しかしユズル達はいずれも事情ありの人間。

これからの生活よりも世界のこれからをより優先にしたい。


そして自分を犠牲に戦った戦士も今異締コンツェルンに捕らわれている。


各人物がそれぞれに大義名分を抱く。

勿論その中に捕らわれてしまった坂丸やYUIもその人物だ。



大きな事をして身を散らす者…。


彼らを愚かと言う者もいるだろう。

しかし明日の無き者は大義を見出すしか道はなくなる。


いずれ君達もそうなるかもしれない。

ならないと言っていても、いつかは戦わざるを得なくなる。


そして戦いはいよいよクライマックスへ!

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