唸れハリセン武術!
ユイの目前に現れた反則から放たれた刺客。
ユイはハリセンを構え、刺客に対し睨みを効かせる。
「この佇まい、流石だ、一度死んだだけのことはある!」
エージェントは目の前の強面に怯まないユイを見て気持ちだけ褒める。
「四の五のトークしてないで早くかかってきなさい!ミーは急いでるんだ!」
ユイは今の言葉に僅かにピクリとしたようで、怒りをあらわにしてエージェント達に啖呵を切る。
「では行くぞ!!」
目の前のエージェントは殺し屋も請け負い、ただの手練れではない事はユイ自身も理解していた。
だからこそユイのハリセン武術の本気をこの場で出す時がきたと言える。
「うおおおっ!!」
ユイに襲いかかる複数のエージェント。
ユイは一目見れば華奢でどこにでもいるような若い女性。
複数で殺気をあらわにして襲う必要は無い相手のように思われるがユイは一方でハリセン武術を有しており、複数の男性をも簡単にねじ伏せてしまうだけの異能を身につけている。
だからこそ、エージェント達は本気でユイを捕らえようとする必要があった。
「StardustHurricane(星屑の竜巻)!」
ユイはハリセンを身体ごと回旋させ激しい舞いをエージェントに見せつける。
「この女のハリセン武術は伊達じゃない!油断するな!!」
エージェントの幹部が部下にはっぱをかける。
「よくわかってるじゃない!Fire!!」
ユイはハリセンの奥義をエージェント達に浴びせる。
「サイコフィールド!!」
エージェント達は目に見えないバリアーを張った。
ユイの攻撃は弾かれる。
「残念だったな!俺たちエージェントはお前達のような異能に合わせてウェポンを実装しているんだ!」
エージェント達はなんと自分の手の指を外す
すると外した箇所から銃口が現れる。
「オーノスタルジック!いつぞやのアニメで見たシーンがリアルで見られるなんてファンタスティックね!!」
ユイは驚くどころか関心している。
「その余裕がいつまでもつかな!?」
エージェントは手の指の銃口を発射させる。
「スロゥリィ(鈍いよ!!)」
ユイはハリセンで次々と銃弾を弾く。
「この女!バケモノか!?」
戸惑うエージェント達。
「さあ今度はミーのターンよ!ブロックボール!!」
ユイはハリセンの奥義を使う。
ユイの片方の手に白く光る空気の弾を持った。
これはハリセンオーラで出来た攻撃用のテニスボールくらいの大きさの弾である。
「くっサイコフィールド!!」
エージェントはまたもバリアーを張る。
ユイは不敵に笑いながらハリセンをテニスラケットのように扱いサーブをこなす。
「…………」
ユイの攻撃はエージェントから大きく外れる。
なんだこいつ…やり手と思ったが実は大したことないんじゃねえか?
エージェントはそう思っていたがユイの打った場所はエージェントでは無かった。
エージェントの左上の空気の壁に当たるとそれは勢いをつけてエージェントめがけて飛んできた。
その壁はハリセンオーラで作られた氷の壁、しかも当たると3倍もの速さで返ってくるという危険な兵器だった。
「ウゴォ!!」
その弾はそのエージェントの背中を突き破り、エージェントはその場に倒れふす。
因みに複数のエージェントもミーのハリセン武術で葬ってやった。
くっそしばらく時間食っちまった!
早く手遅れになる前に坂丸と譲の野郎を助けねえと!
住宅街まで突き進むがここではミーの宿敵が待っていた。
「きゃー刹那くん大好きー♪」
刹那って男を中心に集まる女共。
そこでその女の一人がミーに駆け寄ってきた。
「あら、ユイちゃんじゃなぁい♪今日はハンバーグなんだけどぉ、お買い物に付き合ってくれないかしらぁ?」
それどころじゃねえ!
「I'll do it later(その話は後にしろ!!)」
この女に捕まると話が伸びてしまうので可哀想だがハリセンでぶっ飛ばしておいた。
『ユイちゃんそんな事して良えの?』
チエがミーに声をかけてくる。
「どいつもこいつもミーの邪魔するなー!!」
ミーはイライラしていたので声に出して怒鳴った。
「邪魔は彼らだけじゃないですよ?」
そこで一人の長身の男が待ち構える。
『わっハンサムやん♪』
チエは何故か喜んでいる。
目前に現れたのは確かにハンサムだ…というかその話もどうでもいい。
ミーはこいつに見覚えがある。
「
異締反則、坂丸とはライバル関係であり同期だ。
坂丸とはライバルとのことなのでミーともライバル関係という事になる。
え?じゃあ坂丸とミーは付き合ってるのかって?
ナンセンス!
ミーはあんなやつ男としては見れないね!!
また話がストレンジするところだった!
とにかくわかりやすく言えば反則とはミーとも敵対関係という事だ。
「Msユイ・ルミナーレ、貴女は私にとって不都合な存在だ、貴女のような方に手荒な真似はしたくないのですがこれ以上僕の足元を嗅ぎ回ってもらっては困るのでね…」
反則はキザに決めながらミーに言及してきた。
「ごジェントルにどうも、ミーはユーのようなキザなメンは嫌いだからそのフェイスを原型を留めない程にしてやりたいけどね!」
ミーは早口で反則に言葉を投げ返す。
『いやんこんなハンサムな子ボコボコにするなんて可哀想過ぎるわ♪』
ミーのすぐそばではチエが騒ぐし…。
「ヘイユー!ミーはそのメンとトークしてるからシャラーップ!!」
ミーはチエに指差し怒鳴る。
しかしチエの存在は人には見えない。
(その独り言さえなければ貴女は僕の従者として招きいれる事が出来るのですが…)
反則は一人で突っ込む(ように見えてる)ユイを白い目で見ていた。
それと反則の奴…ミー、何処かで見た覚えがある…いや、ハッキリ言ってノーアイデア(わからない)だ。
ミーは学生時代の記憶が全くと言っていいほど無い。
いや、おぼろげならわかる気がする。
ミーの学生時代はマザーがいて、ファザーがいて、チエがいて…え?チエっていたっけ…?
ミーは学生時代の事を思い返すたび重々しい何かがミーにのしかかる重圧感を覚えた。
な、何だこの動悸は…!?
ミーはだんだん胸が苦しくなっていくような感覚を覚えた。
い、息が苦しい…。
や…やめろ…なんだこの忌々しい気分は…!
あ、頭がかち割れる程に痛い!
だ…誰かミーを助け…て…。
『ユイ!?しっかりせえや!』
そして、チエがミーに話す言葉はこれが最後だった。
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